【モナラベンダー】元気がないときの対処法「こんなときどうする?」を解消

深い緑色と、濃い紫色が印象的な美しい植物、モナラベンダー。モナラベンダーは、その雰囲気と丈夫さで、暮らしの空間にも取り入れやすいインドアグリーンの一つです。

落ち着いた佇まいと、気品ある色合いに加え、それほど管理が難しくないのもモナラベンダーの魅力です。一方で、どんなに丈夫な性質の植物であっても、調子を崩し、不調に陥ることは絶無ではありません。また、植物の不調は、どこに原因があるのか、わかりにくいことも少なくありません。

そこでここからは、モナラベンダーの調子が悪いときの対処法を、症状や原因にも触れながら紹介します。健やかなモナラベンダーと心穏やかに過ごせるよう、モナラベンダーに不調がある場合は参考にして頂ければ幸いです。

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※この記事は比較的長文です。読みにくく大変申し訳ありませんが、必要に応じて、該当する箇所を目次からお選びください。

主な不調の種類

以下に挙げたモナラベンダーの不調について、順にお伝えします。

<葉の不調>
・落葉
・葉が枯れる
・葉が萎れる
・葉の色が悪い
・葉の形状に変化がある
<株全体の不調>
・茎や枝が倒れる
・株がぐらつく
・木質化
<花の不調>
・花が咲かない
・花が落ちる
・花の色が薄い
・花の形状に変化がある
<害虫>
・葉や花に食害がある
・蜘蛛の巣のようなものがついている
・新芽がくっついて、蜘蛛の巣のような綿状の塊になっている

葉の不調

モナラベンダーの大きな魅力の一つであり、同時に株が不調に陥った際、症状が現れやすいのは葉です。まずは、葉に関する不調のサインや対策をお伝えします。

葉が落ちる

植物も新陳代謝のようなイメージで、古い葉が落ち、新しい葉と入れ替わっていきます。そのため、下葉の少量が時々落葉する程度であれば、生理現象と捉えて問題はなく、心配いりません。まれに、黄化もしていないきれいな葉が急に落ちることもありますが、少量で、頻繁でなければ様子を見て構わないでしょう。

一方で、一度にたくさんの葉が落ちる場合は注意が必要です。そうした場合は、株に何らかの異常、負担が生じている可能性があります。

寒さが原因

モナラベンダーの落葉の原因の一つに、低温が考えられます。モナラベンダーは比較的丈夫な植物ですが、それでも耐寒性が飛び抜けて優れているというわけではありません。したがって、冬季、窓辺や玄関などで管理していて落葉が目立つようであれば、もう少し暖かい場所で管理することが求められるでしょう。

特に、出窓のような、窓とカーテンの間の空間にモナラベンダーを置くと、寒冷地ではそうした空間は非常な低温になります。比較的暖かい地域でも、やはりこういった空間は低温の環境になるので注意が必要です。

また、鉢を外で管理している場合や、露地栽培の場合、寒さで一度すべての葉を落とすこともあります。そうした場合でも、根が生きていれば、翌春には再び芽吹くので心配いりません。ただ、これは、比較的耐寒性が弱いモナラベンダーであっても屋外での越冬が可能な地域に限ります。

そもそも暖地以外の地域では屋外の越冬は厳しいため、屋外管理で、冬季、落葉が著しい場合にはできるだけ早く室内に取り込みます。加えて、露地栽培でも、鉢上げをすることで室内に取り込むことは可能です。

強い日射しが原因

日射しによる影響で、モナラベンダーが落葉することもあります。モナラベンダーは光に当たることで、葉の緑色や紫色が豊かに現れますが、ただ、元来、モナラベンダーは、直射日光が得意ではない植物に分類されます。そのため、モナラベンダーに適した光線は、半日陰や、レースのカーテン越しなどの穏やかな光です。

直射日光が一日中当たっている株が落葉する場合は、日射しが厳しすぎるのかもしれません。その場合は、半日陰になる場所や、適度に遮光した場所に置くと改善が見込めます。

半日陰は、柔らかな光が当たる環境や、午前中にのみ日が当たり、午後は日陰になるような環境を指す語ですが、ただ、真夏などは午前中だけであっても、直射日光にさらすのは厳しすぎることもあります。したがって、カーテンなどを用いた必要に応じた遮光が大切です。

一方で、屋外管理や露地栽培では、強いと思われる日射しの下でもすくすくと生育することがあります。モナラベンダーは比較的丈夫で、環境に適応する側面もあるため、必ずしも強い光で落葉するわけではありません。したがって、自分の株を注意深く観察し、光に慣れているのか、そうではないのかを、知ることも大切です。

加えて、光がほとんど届かないような暗い場所にモナラベンダーを置いている場合も、落葉する場合があります。この場合は、落葉だけでなく、株全体が徒長気味になるので、もう少し明るい場所で管理します。

ただ、この際、株に必要以上の負担をかけないよう、徐々に明るい環境に慣れさせることが求められるため、突然屋外の直射日光の下に出すようなことはしないようにしましょう。

水やりが原因

水やりの回数が極端に少なかったり、暑い日が続いたりする場合、落葉の原因には水不足が考えられます。水が不足すると、植物は最小限の水分で生きようとするため、葉を落として余分な水分や体力を使わないようにするのです。

このような場合は、水やりの頻度をやや増やしてみると良いでしょう。モナラベンダーは、根の張りも良く、水分を吸い上げる力も比較的強い植物であるため、水切れは株にとって大きな負担になります。

ただ、モナラベンダーは水切れを起こすと、葉が萎れ、うな垂れるようになるため、落葉の手前で水切れに気づくことが比較的容易です。

加えて、一度水切れを起こした場合は、弱った葉が水やり後に黄化して落葉することもありますが、それ以外の部分については、その後、順調に生育することが多いと言えます。

一方で、モナラベンダーはほかの植物と同様に、短期的な乾燥と湿潤を繰り返すことで健やかに育つ植物です。したがって、必ずしもいつも鉢土を濡らしておくのが良いということではありません。

むしろ、モナラベンダーはやや乾燥気味に育てた方が健やで、反対に、湿潤な状態が続くことを好まない傾向があります。こうしたことから、鉢土が常に湿っていて落葉する場合は、過湿が株の負担になっていて、根が苦しい思いをしていることが考えられるため、鉢土が乾くまで待ってから、次の水やりを行うようにしましょう。

蒸れが原因

株が蒸れることで、落葉することもあります。湿度の高い時期や気温の高い時期に、落葉が多く、なおかつ枝や葉が混み合っている場合には、適度に枝葉をすいて風通しを良くすることも必要です。そうすることで、病害虫を防ぐ効果も期待できます。

また、複数の植物を育てている場合には、スペースの都合もありますが、できるだけ枝同士が触れ合わない距離を保って管理することも必要です。そうすることで、風通しを確保できます。

加えて、水やり後に受け皿に水を溜めないようにすることも大切です。蒸れのほか、根腐れの原因にもなるので、できるだけしっかりと水を切ってから、受け皿に戻します。

葉の色が変わる

少量の葉が変色し、やがて枯れたり落葉したりするのは、植物にとって一般的な生理現象であることもあります。したがって、時々葉が変色する程度であれば、それほど気にする必要はありません。ただ、変色の程度が甚だしい場合は、何らかの対策が求められます。

また、葉が変色してから落葉することもしばしばあるため、葉の変色と落葉には密接なかかわりがあります。したがって、両者を切り離して考えるのではなく、「葉が落ちる」の項と本項を併せて考えると、より健やかな生長へ導くことができるでしょう。

葉の全体が黄化する

落葉の項と重複する部分も多いですが、葉の黄化には、温度変化や日照環境、水やりの頻度などが関係していることが多いと言えます。

気温や室温に大きな変化があった場合や、管理場所を変えた際などは、環境の変化によって葉が黄化することもあり得ます。葉の黄化や落葉がひどい場合には、管理場所を改めることも一つですが、症状がそれほどでもなく、落ち着く兆しがあるのならば、新たな管理場所に適応できる可能性が高いため、そのまま様子を見ても良いでしょう。

また、植物によっては、肥料の欠乏や過剰によって葉の黄化が見られることもありますが、モナラベンダーは基本的に肥料がなくても生長します。したがって、肥料が足りなくて不具合が出るということは稀でしょう。

ただ、肥料を小まめに与えている場合は、肥料過多が原因で葉が黄化していることは考えられます。当てはまる場合は、施肥を控えるのも一つの対策です。

加えて、根詰まりによって葉が黄化している可能性もあります。以前と比べて鉢土の水の浸み込みが極端に悪くなった、また、土に浸み込むよりも前に鉢底から水が流れ出ていて、水が土を素通りしているような感覚がある、といった場合には、鉢のなかの根がいっぱいになっていることも少なくありません。

そうした場合は、鉢底から根が飛び出していることも多いため、植替えを検討しましょう。さらに、2~3年ほど植替えを行っていない場合も、植替えを行う必要があります。

その際、植替えの適期まで作業を待つか、早急に行うかは、株の症状次第です。黄化や落葉が激しく、根詰まり以外に原因が見当たらない場合は、適期を外して植替えを行うリスクを、適期でなくても植替えをしたメリットの方が上回ると言えます。

適期を外した植替えをする場合は、冬季であればできるだけ暖かく、酷暑であれば日陰や適当な風通しを確保して行い、作業も丁寧に進めることで、株への負担を最小限にとどめましょう。

葉の先端が黄化する

葉先の極わずかな一部分が黄化して枯れる場合は、根の負担が考えられます。もちろん、温度変化や水やりの頻度で葉の先端に黄化が見られることもありますが、そうした管理がきちんとなされた上で、症状が出る場合は、やはり、根の負担を疑うことも必要です。

例えば、植替えを行った後のモナラベンダーでは、こういった葉先の黄化が比較的発生しやすいと言えます。育てているモナラベンダーの葉先が黄化した経験を持つ人は、よくよく思い返すと、それが植替え後であったということも少なくないのではないでしょうか。

植替えの際、根鉢をほとんど、あるいは、まったく崩さずに作業した場合、植替え後に葉先が黄化することはあまりないかもしれませんが、根鉢を崩したり、根の整理をしたりすると、根にある程度は負担がかかります。そして、根に負担がかかることで、植替え後に葉先の黄化という形で症状が現れる可能性があるのです。

ただ、根鉢をほぐすことも、古い根や長く伸びすぎた根を整理することも、場合によっては、植替えの際の重要な手順の一つです。したがって、葉先の黄化を心配しすぎて、植替え作業が中途半端になってしまうのも良くありません。

仮に、植替え後に葉先の黄化が見られても、次々に葉が枯れて、株全体の葉が落ちたり、株が弱ったりしなければ、とりあえず様子を見て問題ないでしょう。

植替え後には、比較的多くの葉先に黄化が見られることもあり、一度黄化した部分はその後の管理が十分でも、元の緑色に戻ることはないため、心配になるかもしれません。しかし、その後、モナラベンダーの状態が落ち着けば、新たに発生する葉の先端は、次第に黄化しなくなるでしょう。

こうしたことから、葉の先端の黄化には、根の状態がかかわっていることがわかります。したがって、根詰まりを起こしている際、根腐れを起こしている際にも、葉先の黄化が生じる可能性があります。そうした症状が、植替えをしていない時期に起きた場合には、土の状態を確認し、必要に応じて、植替えの検討や水やり間隔の是正が必要です。

加えて、先にも述べましたが、肥料成分の欠如や過剰によっても、葉先の黄化が見られることがあります。

これは、それほど多い例ではありませんが、植替えをしていないのに葉先の黄化が見られる場合、施肥をしている株や、長年植替えを行わず、鉢土の養分が欠如しているように思われる株は、用土の栄養素が関連している場合もあるでしょう。こうした場合は、必要に応じて施肥を控えたり、新たな用土での植替えを検討します。

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葉が黒ずむ

水やり後に葉全体が染みるように黒ずむことがあります。モナラベンダーが比較的水を吸い上げる力が強いためか、植替え後の根の状態が万全でないときなどに、こうした症状が現れることがあります。

病気などで葉が黒ずみ、枯れてしまうこともありますが、水が染みたように黒ずむ場合は、葉全体の水分量が過剰なような印象を受ける点で、病気による黒ずみとは異なります。病気の場合は、黒ずんだ葉が元に戻ることはありませんが、水が染みたように黒ずむ場合は、数日すると葉の水分が落ち着くようにして、元に戻ることもあります。

したがって、病気の場合は、葉を切り取ったり、必要に応じて薬剤を使用する必要がありますが、水が染みたような黒ずみの場合は、とりあえず様子を見て問題ないでしょう。

加えて、凍傷のような状態に陥ることでも、葉が黒ずむことがあります。冬の夜間など、窓の近くで管理しているモナラベンダーの葉が黒ずむ場合には、原因に温度の低さが考えられます。この場合、暖かい場所に移して、改善するかどうか観察を続けましょう。

葉脈に沿って部分的に黒ずむ

葉の全体ではなく、葉が部分的に、葉脈に沿って直線的に区切られるような格好で黒ずむことがあります。こういった症状は、施肥後に現れることが多いと言えます。肥料を与えた後に、こうした状態の葉が見られた場合は、肥料分が過剰であることが考えられるため、対処が必要です。

与えた肥料が置き肥である場合は、まず、置き肥を取り除きます。そして、その後、施したのが置き肥か液肥のどちらであっても、十分に水を与えましょう。通常の水やりではなく、鉢土の肥料分をすべて流し出すようなイメージで、鉢底から水がどんどん流れるように、十分に水やりをします。

そうすると、翌日には葉が元に戻っていることも多いため、対応が早ければ大きな問題となることは少ないでしょう。葉が肥料によって黒ずむ場合、早ければその日のうち、数時間以内には症状が現れるため、施肥後は小まめに葉の様子を見ることも大切です。

葉が萎れる

葉が萎れるもっとも一般的な原因は水切れです。水やりの頻度が少なかったり、暑い日が続いたりすることで、水が不足することがあります。こうした場合は、普通、水やりをすることで解決することが多いでしょう。

ただ、水切れの状態が長く続くと、葉が回復せず、そのまま落葉することもあります。また、あまりにも水やりが遅いと、株そのものが枯れてしまうこともありますが、たいていの場合は水を与えることで回復するでしょう。

一方で、水やりをしているにもかかわらず葉が萎れる場合は、根に問題が生じている可能性があります。根が弱ったり腐ったりしているために、水分を吸い上げることができない場合は、通常の水やりを行っていても、葉に水分が届かず、結果として葉が萎れることもあるのです。

この場合は、軽度であれば鉢土がきちんと乾くまで待って、再び水やりをすることで、過湿状態の株を正常に近づけて根の回復を図ることもありますが、ただ、そこまで待っている時間がない場合もあります。それは、すでに葉に水分が行き届いていないため、それ以上待っていると株が枯れてしまうことがあるからです。

そういった場合は、できるだけ早急に植替えを検討する必要があります。植替え適期でなくても、そもそも株が枯れてしまう恐れがある場合は、植替えを行うメリットが、適期外に植替えをするリスクを上回ると考えられます。したがって、できるだけ慎重に、株の負担を最小限に抑えられるよう作業しましょう。

植替えを行う際は、根の負担を軽くするため、枝葉を剪定しておくのも良い判断です。根の状態が万全ではないのに、水を送り届けなければならない枝葉がたくさんあると、地下部と地上部のバランスがとれず、株の負担になるためです。

葉が丸まる

葉が丸まるのも、前項に引き続き、水不足が原因として考えられます。水が足りなくなると、植物は葉を丸めることで、葉から蒸散する水分量を制限しようと努めます。したがって、葉が丸まるのを見つけたら、鉢土が乾いていないか確認しましょう。

水やり後、丸まった葉は元に戻ることもありますが、丸まりが少々改善される程度にとどまる場合や、一切戻らない場合もあります。見た目は良くないかもしれませんが、乾燥状態が改善でき、管理環境に問題がなければ、そのまま様子見で構いません。丸まっているだけで、きれいな緑色をしていることも多いため、特別取り除く必要もないでしょう。

また、水切れの状態が続いた後、水やりをすることで、葉がねじれるように丸まることもあります。これは、定かではなく大変申し訳ありませんが、モナラベンダーの水分を吸い上げる力が強いために、葉に勢いよく水が行き渡ったためだと推測できます。

こうした場合も、その後、枯れるなどの不調は起きないため、問題はありませんが、できるだけ鉢土が乾きすぎる前に水やりをすることで、水やり後の葉の丸まりは防げるかもしれません。

葉の奇形

モナラベンダーを育てていると、稀にほかの葉とは違う形の葉が発生することがあります。形が歪であったり、ハート型のようであったりと、形は一つではありませんが、どのような形であっても、株の生育には特に影響ありません。したがって、忌み嫌って取り除く必要も、滅多にない幸運だと思って殊更にかわいがる必要もありません。

奇形の葉に対する処遇は育てている人の自由ですが、モナラベンダーを育てていれば時々生じるのも事実です。そのため、特にほかの葉と区別する必要はないのではないでしょうか。

葉が小さい

葉が小さい場合、生育不良の可能性も考えられますが、多くの場合は特に問題がないことがほとんどです。例えば、まだ株が小さければ、発生する葉が小さいのは自然なことです。

また、屋外で管理していたり、露地植えで栽培していたりする場合は、室内管理の株よりも風などの外的な要素に左右されやすい傾向にあります。そのため、葉が風に煽られて枝が折れたり茎が倒れたりしないよう、モナラベンダー自らの判断で葉を小さめにすることもあります。

屋外で育てた株の葉が小さめで、株が比較的引き締まって見えるのは、こうした環境への適応だと考えられます。

新芽が枯れる

新芽が枯れる原因の多くは、根にあります。根が損傷していたり、根詰まりを起こしていたり、根腐れしていたりすると、新芽が枯れることがあります。管理環境に問題がなく、あるいは環境を見直してもなお改善の兆しがなければ、植替えの検討が必要です。

また、新芽は生長した葉と比べて柔らかく、まだ弱いため、強い風に当たると風焼けを起こして枯れたり傷ついたりすることがあります。元々、屋外管理で、外の環境に慣れていれば問題ないですが、株を風通しの良い場所に移した際に、このような新芽の不調が生じた場合は、原因は強すぎる風にあると言えるかもしれません。

元来、風通しはモナラベンダーを育てるために大切な要素の一つですが、強すぎる風は、新芽にとって、時に負担となることもあります。

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株全体の不調

モナラベンダーは比較的生育の速い植物で、短期間ですくすくと大きくなります。丈夫に良く生長するのは喜ばしいことですが、一方で、上手に生育するよう、時々、お世話によって導いてやる必要があります。

茎・枝が倒れる

モナラベンダーは、日の当たる方向へ良く生長します。室内管理などで、どこか一方向からしか光が当たらない場合、そちらへ向かってぐんぐん伸びていきます。そうすると、次第に枝が斜めになり、自重に耐えられなくなると、倒れたり土につくまで傾いたりすることも少なくありません。

そうすると、見映えもしないですし、健やかな生育に支障をきたします。そのため、一本の枝がまっすぐに伸び続けないよう、小まめに摘芯をして、脇芽を発生させると良いです。そうすることで、長すぎる一本の枝が自重に耐え切れずに傾いてしまうという問題も起きにくくなります。

加えて、脇芽を豊富に出すことで、こんもりと丸みのあるシルエットの株に仕立てることもでき、モナラベンダーの魅力がさらに増すでしょう。摘芯することで、1本の枝が2本になり、2本の枝が4本にと増えていきますので、摘芯は積極的に行いたい作業の一つです。

なお、摘芯は、新芽を指で軽く摘まんで、折るように曲げることで、ぽろりと芽が取れる簡単な作業です。最初は、せっかく出た新芽を折るのはかわいそうに思えて気が引けるかもしれませんが、健やかな生長のため、摘芯は大切な作業と言えます。伸びた髪の毛や爪を切るようなことだと割り切って、挑戦してみましょう。

ところで、摘芯をした後、その部分を挟むようにして、両側の二か所から脇芽が発生するのが普通ですが、どちらか片方の一か所からしか新芽が出ないこともあります。つまり、1本の枝を2本にするはずが、1本の枝が1本にしかならないということです。

そうなると、枝数を増やして株にボリュームをだしたり、一本の枝が長くなりすぎたりしないために行った摘芯であるはずなのに、結局、新芽が一つしか出なければ意味がないように思うかもしれません。この場合は、確かにその通りで、一つの新芽では、望んだ展開にはなりません。

しかし、時として人の力ではどうすることもできない事態が起こることもあるため、新芽が一つしか出なかったときは次の芽を摘芯して、二つの脇芽が出ることを祈るしかありません。

ただ、摘芯後に、一か所からしか芽が出ないのは特に問題ではなく、しばしば起こることなので、あまり気にする必要はないと言えます。そんなときは、モナラベンダーの気持ちを尊重し、気まぐれに付き合うようなゆとりのある気持ちでいるのが良いのではないでしょうか。

また、摘芯のほかにも、日の光が株全体に満遍なく当たるよう、時々鉢を回転させるのも、枝や茎が傾いて倒れることを防ぐのに有効です。

株がぐらつく

モナラベンダーがぐらつく場合、根の張りが十分ではないことが原因として挙げられます。例えば、モナラベンダーを長いこと育てている場合には、古い根が枯れ始め、さらに、新たな根の発生が鈍い場合、次第に土中の根の張りが心許なくなってしまいます。

そうならないためにも、定期的に植替えを行い、新たな根の活発な発生を促すことが大切です。植替えの際は、ぐらつく株を固定したい気持ちから、つい深植えしたくなるかもしれませんが、基本的に植物はあまり深植えをしない方が良いとされています。

ただ、モナラベンダーは、表土近くの根元付近から、新たに根が発生しているのが見える場合もあります。その場合は、次に植え替える際、その根が土に隠れる程度には深植えしても問題ないでしょう。そうすることで、新たな根が張り、株がぐらついたり、倒れたりすることを、防ぐのに役立ちます。

また、株が小さく、根の張りが十分ではない場合にも株がぐらつくことがあります。ただ、この場合は、次第に根が張り、時間とともに株が固定されることが多いため、特に心配する必要はなく、生長を温かく見守ります。

草姿が乱れる

草姿が乱れることは、必ずしも不調とは言えませんが、乱れた状態を放っておくと、見映えも悪く、その後の生育に支障をきたす場合があります。

モナラベンダーの草姿の乱れは、主に摘芯の不足が原因です。したがって、摘芯を積極的に行い、時に大胆に切り戻すことも効果的です。摘芯を行うことで、株にボリュームがでて、美しいシルエットに仕立てることができ、草姿の乱れを防ぐことができます。

どの芽を摘芯するべきかという明確な決まりはないですが、全体のバランスを見て、枝が是非分岐してほしい箇所は、特に小まめに摘むと良いでしょう。

また、摘芯をせずに伸びてしまった枝や、摘芯を行ったものの、若干徒長気味になってしまった部分などは、枝や茎を短く切り詰める、切り戻しを行うのも有効です。

切り戻しは、厳しい季節を除けば基本的にいつ行ってもそれほど問題ありませんが、株の負担を考えるのであれば、春や花後に行うのが良いでしょう。また、植替えの際に一緒に行うのも良い選択です。春は新芽の動きが活発になるので、切り戻しをすることで、豊かな姿に導けます。

加えて、花後、花柄を切り取る際、一緒に切り戻しを行うのも良いでしょう。ただ、秋に花の最盛期を迎えるモナラベンダーですから、花の終わりが丁度冬の厳しい時期と重なることも考えられます。そうした場合は、花柄の処理だけにとどめて、切り戻しは春まで見送った方がモナラベンダーにとって優しいでしょう。

なお、切り戻しは、一対のきれいな葉が残っているすぐ上で行うのが望ましいです。つまり、きれいな2枚の葉のすぐ上を切るということです。必ずしもそうしなければならないわけではありませんが、そうすることで、きれいな剪定後の姿になり、また、状態の良い場所からは、活発な新芽の発生が期待できます。

徒長が激しかったり、そもそもきれいな葉が枝の元の方に残っていなかったりする場合には、思い切って根元付近から剪定し、株を丸坊主にすることも可能です。モナラベンダーは葉を出す力が強い植物です、したがって、丸坊主にしても、再び芽吹く可能性は比較的高いと言えます。

丸坊主にする剪定を行う場合には、春頃、植替えを伴って作業するのが最善です。株の負担を最小限に抑えられるよう、丁寧に作業します。丸坊主の剪定後は、1~2週間ほどで芽吹くことが多いでしょう。株により若干の個体差はありますが、なかには1週間もかからずに新芽が顔を出す場合もあり、一方で、もう少し長くかかる場合もあります。

関連して、大胆に切り戻した枝からは、水やり後、水が染み出てきて滴が落ちることもありますが、それだけ、モナラベンダーの水を吸い上げる力が強く、また、根が活動しているという証拠ですので、心配する必要はありません。気になるようであれば、ティッシュペーパーなどで軽く押さえるようにして拭えば良いでしょう。

茎・枝の木質化

モナラベンダーを育てていると、時間の経過を伴って、根元付近から順に、茎や枝が木の幹のような色や質感に変化する「木質化」が生じます。木質化は、モナラベンダーに限らず、様々な植物で起こる言わば生理現象の一つであり、病気や不調のサインではありません。

したがって、モナラベンダーに木質化が生じても、それは自然なことなので心配いりません。むしろ、モナラベンダーの木質化は、良く茂る枝葉や花を、土台からしっかりと支えるという意味でも、頑丈で頼れる変化と言えます。

植物によっては、木質化することで見映えしなくなるなどの理由から、木質化を嫌う人もいますが、モナラベンダーにおいては、木質化は恩恵すらある、好意的に受け止められる変化でしょう。

また、植物によっては、剪定などで株を切り戻した際、木質化した部分からは新芽が発生しにくくなる場合もありますが、モナラベンダーの場合は切り戻し後、木質化した部分からも新芽が出ることもしばしばあります。もちろん、絶対と言い切れるものではありませんが、木質化による新芽への不利益はそれほど考えなくても良いでしょう。

ただ、それでも心配な場合は、小まめに剪定を行い、切り戻し後に、木質化していない部分を残すように管理するのが安心です。一方、モナラベンダーを丸坊主に剪定する場合は、木質化した部分しか残らないことも多いですが、基本的に新芽は発生して、その後も良く生育します。

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花の不調

花の季節に気になる事柄を紹介します。

花が咲かない(少ない)

まだ、株が小さく、生長途上の場合、その年は花芽をつけないこともあります。ただ、大きくなるにつれて、花芽をつけるようになるので、心配いらないでしょう。

ただ、ある程度生長した株であるのにもかかわらず花が咲かない場合は、管理環境に問題があるのかもしれません。例えば、花にとって日照条件は大切です。日中、モナラベンダーがきちんと光と触れ合えているか確認しましょう。

また、モナラベンダーは短日植物です。光に当たる時間と暗くなる時間がちょうど半々程度になるなど、明るい時間が一定程度以下になると花をつけ始める植物を短日植物と言います。したがって、夜間も含めて、一日中、煌々と照明がついているような室内では、花つきが悪くなることも考えられます。

ただ、モナラベンダーはそれほど厳格な短日処理が必要な植物ではありません。なかには、少しの明かりにも触れさせないよう、段ボール箱等で毎晩遮光しなければならない植物や、屋外管理であっても、街灯が当たってしまっては短日処理として意味をなさない植物など、繊細な短日処理が必要なものもあります。

そういった植物に比べれば、モナラベンダーは何もしなくても花を咲かせるほど、短日処理に手間がかからない植物です。しかしながら、そうは言っても、モナラベンダーが短日植物であることに変わりはないので、花つきの悪さが気になるようであれば、夜間の照明などに気をつけるのも効果的な対策と言えます。

加えて、花をつける時季の直前に、剪定を行ったのであれば、花芽そのものを切り落としたり、花芽分化の最中にある枝を切ったりした可能性も否定できません。それでも、生育には問題がありませんが、花を観賞したい場合には、花芽に注意して剪定を行いましょう。

花(花芽)が落ちる

たくさんの花をつけることが多いモナラベンダーですが、一方で、花や花芽がやや落ちやすいという事実もあります。少しの振動や、水やりなどで鉢を動かした際など、花や花芽が落ちてしまうことがあります。

ただ、すべてがそうだというわけではなく、手が触れただけで落ちるものもあれば、反対に、引っ張ってもなかなか取れないものもあるでしょう。確かに、きれいな花や花芽が落ちるのは残念ですが、それが少量であれば、それほど気にしたり心配したりする必要はありません。きっとまた、たくさんの花を咲かせてくれます。

しかし、一晩でたくさんの花が落ちている、などといった場合には、管理環境の低温が考えられます。秋を中心に花を咲かせるモナラベンダーですから、比較的寒い季節にも花を咲かせていることもしばしばです。そうしたなか、温度が低かったり、極端に気温が下がったりした日には、花や花芽が落ちるのを目にする機会が増えると言えます。

そうした場合には、極端に部屋を暖める必要はありませんが、やや暖かい環境下に置くことで、花や花芽を守れるかもしれません。

加えて、モナラベンダーは、夏にも花を咲かせることがあります。この場合も、高温にさらされることで花が落ちることもあります。

花の色が薄い

モナラベンダーが花をたくさん咲かせているものの、花の色が薄い、白っぽい、紫色があまり濃くない、ということはよくあります。白色の度合いが強い花もそれはそれで美しいのですが、モナラベンダーらしい紫色の花を楽しみたいのであれば、日の光に良く当てるようにします。

つまり、日照の不足が、花色の薄さの原因であることがほとんどです。もちろん、積極的に直射日光に当てるという意味ではありません。レースのカーテン越しなどの光を十分に当てることで、紫色の濃い、美しい花を楽しむことができます。

また、光が株の片側にしか当たらない場合、そちら側の花は紫色が濃いものの、反対側の光があまり当たらない方は白色が強い花になることもあります。そうしたグラデーションも美しいですが、全体的に紫色にしたい場合は、鉢を時々回転させるなどすれば良いでしょう。

花の奇形

モナラベンダーを育てていると、時々変わった形の花を見つけることがあります。モナラベンダーの花は元々筒状ですが、正面から見ると、上側が大きく広がり、下側は比較的小さくまとまっています。ところが、稀に、花に上下がない、ラッパのような筒状の花や、開口部が四角形に近いような花を咲かせることがあるのです。

こうした花そのものは、生育に問題があるわけではないので、変わった形の花が咲いても、取り立てて対応しなけらばならないというものではありません。このような花は、花柄の先端に、一般的な横向きではなく、空に向かうようにしてまっすぐと咲くことが多いと言えます。

普通、花柄の最先端につく花は、そのほかの花と同様に横向きに咲きますが、花柄と同じ向きに、つまり、花柄の延長線上を向いて咲く花があったなら、よく観察してみると少々形が変わっているかもしれません。

※花柄・・・葉をつける茎や枝ではなく、茎や枝から発生して、花をつける枝状の部分。モナラベンダーの花柄の色は、黒に近い極めて濃い紫色。花が咲き終わったら、花殻摘みとして、花柄の根元から切り取る。

肥料による不調

肥料は、植物を元気にすくすくと育てるために有意義なものですが、使い方を誤ると株の負担になりかねません。モナラベンダーにおいても、それは同じことです。基本的に、モナラベンダーは肥料を与えなくても問題なく生育しますが、花期や生長が著しい時期には、施肥によって体力を養うこともできます。

一方で、与える肥料が過剰だと、様々な問題が生じ、場合によっては枯れてしまうこともあるため、注意が必要です。例えば、施肥後に、葉が萎れたり、葉が黄化したりする場合は、肥料焼けによって、株が損傷していることが考えられます。また、先にも述べましたが、葉が葉脈に沿って黒ずむ場合も、肥料による影響が考えられます。

施肥後に不調が現れる場合には、肥料の濃度や与える頻度を見直し、不要だと判断する場合には施肥自体を中止するのも一つでしょう。すでに生じた症状は、鉢土を洗い流すようなイメージで十分に水やりを行った後、様子を見ます。

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害虫による不調

モナラベンダーは、基本的に病気や害虫には強い植物です。ただ、それでも、稀に害虫による被害が生じることがあります。一般的につきやすい虫はハダニ、カイガラムシ、ヨトウムシ、アブラムシなどです。モナラベンダーはシソ科の植物であり、シソ科の植物は害虫の被害を受けにくですが、ただ、まったくないわけではありません。

例えば、風通しが悪い場所で管理していると、ハダニやカイガラムシがつきやすくなります。また、葉にかじられた痕や黒い糞を見つけたら、ヨトウムシがついている可能性があります。見つけ次第、早めに駆除することが大切です。

加えて、モナラベンダーの新芽など、葉に綿状の蜘蛛の巣のようなものがついていることがあります。そうした綿状のもののなかには、ヨトウムシをはじめとする、蛾類の幼虫が潜んでいる可能性が高く、なかを探ってみると、極め小さく細い緑色の芋虫状の幼虫が出てくることがあります。

2枚で一対の新芽などの葉がくっついていて、そこに綿状のものが見られる場合は、蛾類の幼虫が吐いた糸である可能性があるのです。葉が白っぽく、透けるような見た目になっている場合は、蛾類の幼虫による食害である可能性が高まるでしょう。幼虫はシャクトリムシのような歩き方をするものもいます。

幼虫は見つけ次第捕殺し、綿状の糸がついた葉も一緒に取り除きますが、それがヨトウムシである場合、幼虫が大きくなると、日中は土の中で過ごし、夜間に活動するため、見つけにくくなります。

したがって、土に潜る前の初期段階の幼虫を捕殺するか、また、大きくなってしまった場合には、夜間に懐中電灯などを利用して探し、見つけ次第捕殺しましょう。

一方、綿状の糸の塊ではなく、一般的な蜘蛛の巣のような糸が株全体や葉、枝に張られている場合には、ハダニ類の発生が疑われます。

このように、比較的丈夫で、害虫がつきにくいモナラベンダーですが、場合によっては害虫がついてしまうこともあります。ただ、害虫はどのような植物にもつき得るものであり、完全に防ぐことは難しいとも言えるでしょう。

そうしたなかでも、モナラベンダーは害虫の被害が少ないですが、万一に備えて、日々、観察をする習慣を持つことが大切です。観察をしていることで、少しの変化にも気づけ、病害虫に対しても早期での対処が可能です。早めの対応は、被害を広げず、最小限で食害等の被害を食い止めることにもつながります。

害虫の発生が疑われる場合や、害虫が心配な場合、また、そのどちらでなくても、普段よく目にする葉の表面だけではなく、害虫の卵が産みつけられている可能性のある、葉の裏面まで観察することが求められるのです。

なお、害虫によっては、捕殺が難しいこともありますので、必要に応じて薬剤を使用することも検討します。一方で、大切なことは、できるだけ害虫を発生させないことであるのは言うまでもありません。そのためにも、できる限り、モナラベンダーに適した環境での管理を心がけましょう。

加えて、室内で管理しているモナラベンダーであっても、害虫がつくことはあります。窓の少しの開閉で入り込む虫や、そもそも網戸の目よりも小さな虫もいます。

ベランダにモナラベンダーを短時間出した際に、害虫がついてしまうこともあり得るでしょう。したがって、室内で育てているからといって、必ずしも害虫の心配がないわけではありません。

植物の寿命

上手に丁寧に育てていても、植物が弱り、枯れてしまうことはあります。植物にも、寿命はあるのです。どれくらい元気に生育し続けるかは、種によって異なりますが、例えばモナラベンダーであれば、10年、さらにそれ以上は容易に私たちの暮らしに寄り添ってくれます。

ただ、これはモナラベンダーにとって適した環境や管理条件を満たした場合です。また、同じモナラベンダーであっても、個体差があるため、一概に寿命が何年とは言えません。それでも、決して短くはない時間をともに過ごすことができるのがモナラベンダーです。

しかし、その寿命も永久ではありません。丁寧に育て続けていれば、いつまででもすくすくと育ってくれそうに思えますが、いつかは枯れてしまう事実は当然あります。

したがって、モナラベンダーが衰弱したり、枯れたりしても、それが栽培開始から長年が経過しているのであれば、もしかしたら、寿命だったのかもしれません。

きちんと育てていても枯れてしまうことがあります。長く育ててきたモナラベンダーが枯れてしまうことはとても残念ですが、しかし、だからこそ、あまり自分自身に管理の不手際があったのでは、と考えすぎないでください。

不調と上手に付き合う

繰り返しになりますが、上手に育てていても、モナラベンダーに不調が現れることはあります。そして、不調が起こったからといって、必ずしも枯れるというわけではありません。

植物が不調に陥ると、もちろん心配になりますし、どういった対応をすれば良いのかと、気が気でないかもしれません。ただ、不調はモナラベンダーのことを、取り分け、あなたの育てているモナラベンダーのことをより深く知る機会です。

したがって、適した管理をするのはもちろん大切ですが、ただ、不調を起こさないよう躍起になるのではなく、不調と上手に付き合って、ゆとりある気持ちでより長い時間をモナラベンダーとともに過ごせれば良いのではないでしょうか。

不調がないに越したことはありませんが、不調が生じることは当然皆無ではないため、不調と上手に付き合い、乗り越えることがもっとも大切です。

挿し木・水挿しという安心

モナラベンダーを育てていて、ふと「この株が枯れてしまったらどうしよう」と思ったことのある人も多いのではないでしょうか。株が健やかなときであっても、不調が現れているときであっても、大切に育てていればいるほど、そうした思いが胸に迫るものです。

そうした不安の完璧な解消法とはなりませんが、あらかじめ株を殖やしておく、という方法もあります。モナラベンダーは挿し木や水挿しで、比較的容易に、活着、あるいは発根するため、高確率で殖やすことができます。

挿し木や挿し水のために株の一部分を切り取っても良いですし、剪定の際に出た枝を活用しても良いでしょう。そうすることで、もし育てている株が枯れてしまっても、その株を引き継ぐことができます。モナラベンダーが枯れた後、新たにモナラベンダーを買うのとは、心情が異なるのではないでしょうか。

自分自身の心のゆとりのため、そして何より、より長い時間をモナラベンダーと過ごすため、挿し木や水挿しという素敵な選択はきっと役立ちます。

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まとめ:モナラベンダーの不調改善には観察が大切

モナラベンダーは基本的に丈夫に健やかに育つ、誰にでも育てやすい植物です。一方で、必ずしも不調が現れないというわけではなく、場合によっては、葉や花、株全体に様々な不調、あるいはそのサインが生じることがあります。

そうした不調を早期に把握し、上手に乗り越え、改善するためには、日々の観察が大切です。また、モナラベンダーは比較的長い時間をともに過ごすことができますが、それでも、寿命はあります。だからこそ、自分の管理の仕方を責めすぎる必要はありません。

加えて、枯れてしまう不安の軽減には、挿し木や水挿しで株を殖やすことも有効です。

本来、暮らしにゆとりをもたらしてくれる存在のモナラベンダー。したがって、モナラベンダーの不調に振り回されるのではなく、ゆとりある心で日々見つめ、不調が生じても上手に乗り越えることが大切です。