【トップライト】高効率の採光!「メリット3つ」と「便利な機能」

新築住宅を計画する際、自然光で満たされる明るい空間にしたい、と考える人は少なくないのではないでしょうか。しかし、間取りや土地の条件などから、思うように窓を設置できないことや、小さい窓しか設けられない場合もあるでしょう。

また、明るさを求めるあまり、不用意に大きな窓を設けると、かえってまぶしく、夏は暑すぎたり、冬は寒すぎたりすることもあり得ます。

こうしたことを踏まえ、様々な条件下において、自然光で溢れる空間を実現しつつ、暮らしやすい住まいをつくるために、トップライト、つまり天窓の活用は有用です。トップライトは、採光だけではなく、通風にも一役買う、あるかないかで暮らしの質を大きく左右することもある、優れた部材です。

トップライトとは

トップライトは、天窓とも呼ばれる、窓の一種です。屋根に開口を設け、天井面に窓を設置するものがトップライトです。

トップライトは採光や換気を目的として設置される窓ですが、同時に、空間を広く感じさせる開放感や、お洒落さも持ち合わせる素敵な窓だと言えます。

このように、デザイン性も高いトップライトですが、実用性も非常に高く、様々な住宅で導入されています。例えば、窓が部屋の一面にしかない部屋、窓が一か所もない空間、北向きの住宅、住宅密集地に建つ住居などです。

こうした、採光に関する不安要素がある住宅でも、トップライトは積極的に取り入れられていて、問題の解消に役立てられます。

暮らす人や、生活スタイル、住宅のデザインに応じて、いくつかのタイプから選ぶことができるのも、トップライトの魅力です。トップライトは、暮らしをより快適にするために、活用を検討する価値がある部材だと言えるでしょう。

一方で、住宅の屋根、天井部に開口を設けるということで生じる注意点もトップライトにはあります。そうした注意点を事前に知り、できるだけ最小限にとどめることも、トップライトの導入における大切な点です。

トップライトの魅力や注意点、備えることのできる機能を知ることで、暮らしや気候、季節に順応する、機能的でくらしにゆとりをもたらすトップライトの設置が実現できるでしょう。

○トップライトは、屋根や天井に設ける天窓のこと。
○主に、採光、通風を目的に設置する。
○採光に不安がある住宅でも採用される。
○開放感、お洒落な雰囲気の演出にも効果的。

トップライトのメリット3つ

トップライトの魅力はどういったものなのか、具体的に紹介します。

1.優れた採光性

トップライトの大きなメリットには、やはりその採光性が挙げられます。トップライトは空に向けて開かれた窓であるため、その有効採光値は、一般的な窓の約3倍だと言われるほどです。

したがって、「窓はあるものの、何となく暗い」と感じるような住まいや時間帯でも、トップライトがあれば、ずいぶんと明るく感じられるでしょう。

また、曇り空で、日の光が期待できないような日でも、トップライトがあると、十分な採光が得られる場合も少なくありません。少々大げさに聞こえるかもしれませんが、「電気点けてたかな?」と思ってしまうほど、明るく感じられることもあります。

こうしたことから、「照明をつけるような時間ではない」、「照明をつけるには少し明るいような気もする」、けれども「照明を点けずにいるには暗い」、などといった、いかにも中途半端な照度環境の改善に、トップライトは大いに役立ちます。

優れた採光性を有するため、家の北側や、北側に傾斜した屋根に設けられたトップライトでも、十分な明るさが得られることも決して珍しくありません。

トップライトの採光性の高さは、「自然な明るさで過ごしたい」、「極力照明を点けたくない」、「十分な照度を確保したい(暗いのが嫌だ)」といった要望に応えることができるでしょう。

2.選べる設置場所

採光性と並んで挙げられるトップライトの魅力に、設置場所が柔軟に選択できる、自由度の高さがあります。

一般的に、窓は、屋外に面した壁面にしか設けることができません。しかし、その壁を収納設備に割かなくてはならなかったり、道路や隣家に面していたりするなど、壁面を窓として十分に機能させられないことも考えられます。

プライバシーを守るため、カーテンやシャッターを閉め切りにせざるを得ず、結果として窓の役目を果たせない窓を設けることになっては、良い家づくりができたとは言えないのではないでしょうか。

加えて、住宅密集地などでは、たとえ窓を設けて、カーテンなどを閉めていなくても、日射しが遮られ、十分な採光が得られないこともあります。

このような、日照や採光に不安を抱える条件下においても、トップライトは有効です。壁面の条件にかかわらず、トップライトであれば、比較的柔軟に、開口部を選択し、設けることが可能です。

その際、隣家や家のすぐ前を通る道路など、人目が気になる諸事情をあまり考えずに済むのもトップライトの嬉しいところだと言えます。

家の北側や、窓が設けられない所でも、トップライトなら効率良く日照を得ることができます。

例えば、家の中側や、居室に挟まれた空間に配置されることの多い廊下は、暗くなりやすい場所の代表格ですが、トップライトを1か所設けることができれば、その環境は大きく変わるでしょう。

また、洗面台や脱衣所といった、外からの視線が気になる、プライバシーをきちんと守りたい場所にもトップライトはおすすめです。視線を遮るだけではなく、朝、自然光の下で身支度を整えられることは、想像以上に清々しいものです。

朝から照明を点けると、必要以上にまぶしくなることも少なくありません。自然な光のなかで顔を洗う気持ち良さを実感する人もきっといるはずです。

さらに、自然光で身支度をする良さに、顔などの細部まで見やすいという点が挙げられます。目元や鼻など、照明では角度によって影になりやすく、お手入れのしにくさを感じたことがある人もいるのではないでしょうか。

その点、トップライトから射し込む広がりのある自然光は、比較的顔に影をつくりにくいため、メイクや鼻毛のお手入れ、髭剃りなどがしやすくなることもあります。

現在、洗面所に窓がない住宅も多いため、新築の際は洗面所のトップライトを検討してみるのも素敵ではないでしょうか。

このように、トップライトは、通常の窓の設置が難しい場所や、視線が気になる場所の採光に一役買う窓でもあります。したがって、居室や廊下、洗面台のほか、屋根裏やロフト等の採光にも活用できます。

3.快適な通風

通常の窓であれば、その役割は採光だけでなく、開閉による換気など、通風を確保することも大切な役割の一つです。そして、そこに開閉機能を有したトップライトを追加することで、通常の窓による横方向の通風に加え、空気が天井に向かって抜ける、縦方向の通風を得ることができます。

暖かい空気は天井付近に溜まりやすいため、トップライトがあれば、暖められた空気を効率良く外へ逃がすことができます。そのため、通風によって、空間を快適な環境に近づけられるトップライトの効果は、春から夏にかけて、より実感できるでしょう。

「冷房をつけるには早いけれど、窓を閉めっきりでは暑い」というような春頃には、小窓を1か所とトップライトをそれぞれ開けるだけで、十分な風通しを得られることもあり、とても心地良く過ごせます。

また、通常の窓だと、防犯上、開けておくのが心配な場合でも、トップライトであれば、外部から侵入することは難しいため、防犯の観点からも優れた窓です。

したがって、家で過ごす際も、外出する際も、トップライトは常に住宅の通風を確保しておける窓だと言えるでしょう。

メリット1:自然光をたっぷりと空間に取り込める。
メリット2:通常の窓が設けられない所でも、比較的自由に取りつけが可能(プライバシーの保護)。
メリット3:効果的な通風の確保(防犯性も高い)。

便利な機能

一口にトップライトと言っても、その機能は様々です。住宅の特徴や住人の要望によって、追加すると便利な機能を紹介します。

開閉機能

メリットの項の3番目に挙げた、トップライトによる通風を得るために不可欠な機能が、トップライトの開閉機能です。

トップライトには窓が開閉しないフィックスタイプのものも多くあるため、トップライトによる通風が確保できた方が良いのか、それとも採光だけで十分なのかを、しっかりと検討しておくと良いでしょう。

普段、開閉しない場所のトップライトに開閉機能を持たせると、余分な予算を割くことにつながってしまい、また、開閉した方が良い場所をフィックスタイプにしてしまうと、暮らしやすさが損なわれることにもつながりかねません。

ただ、一年を通して、季節の移り変わりによる環境の変化が大きな日本においては、トップライトは開閉する方が便利だと感じることも多いでしょう。

したがって、予算に余裕があり、開閉機能を持たせるかどうか迷う場合には、機能を追加しておくと後々役立つことも少なくありません。

居室だけでなく、廊下や洗面台、屋根裏空間等、普段人が過ごさない場所でも、窓が開いていると、空気がこもらず、とても気持ちが良いものです。屋根裏やロフトなどでは、湿気が溜まるのを防ぎ、カビ対策にもつながります。

加えて、トップライトに開閉機能を付加する場合、自動開閉か手動開閉を選べるのが一般的です。吹き抜け等の、比較的高さのある天井にトップライトを設ける場合は、リモコンなどで操作できる自動開閉が必須です。

一方、ロフトや屋根裏空間など、比較的天井の低い場所に設置するトップライトであれば、手動開閉でも何ら問題ありません。手動の方が費用が抑えられ、メンテナンス性にも優れていると言えます。

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開閉機能がついたトップライトの注意点として挙げられることは、フィックスタイプのものと比較して、窓枠が少々太くなることもあるという点です。

それほど気になるものではないかもしれませんが、人によっては、天井に窓だけがすっきりとはまっているような印象があるフィックスタイプの方が、見た目の収まりが良いと感じるかもしれません。

雨センサー 

自動開閉機能と関連した機能に、雨センサーが挙げられます。名前の通り、降雨を感知するセンサーです。雨センサーによって、雨を感知すると自動でトップライトが閉まるため、室内に雨が降り込むことを防ぐことができます。

外出中にトップライトを開けたままでも、雨センサーがあれば安心です。雨センサーは比較的弱い雨にもきちんと反応しますが、一方で、極めて弱い霧雨などは感知しない場合もあります。

ただ、そのような弱い雨であれば、そもそも開いたトップライトから吹き込むこともほとんどないので、室内がひどく濡れてしまう状況を心配する必要はあまりないでしょう。

トップライトは、斜めに比較的小さく開くため、多少の雨であればすぐさま室内が濡れるということはあまりありません。

加えて、雨センサーは自動で閉まる機能であるため、雨センサーを付加したい場合は、自動開閉機能を備えることが必須です。

また、雨が止んだら再びトップライトが開く機能があると便利ですが、そういった機能を有するトップライトはないようです。

意図せずトップライトが開くのは避けたいので、そうした機能が必要ないことには頷けますが、しかし、外出中、雨センサーがあるが故に、極短時間のほんの小雨程度でトップライトが閉まり、その後、長時間風通しがなく、室内が蒸し暑くなってしまうということもあり得ます。

それだけ、雨センサーの感度が優れているということでもありますが、帰宅時、室内の蒸し暑さに閉口することもあり、これは、雨センサーの思わぬ弱点とも言えるかもしれません。

したがって、そういった心配がある日には、エアコンのタイマー機能を併用するなどすると、雨センサーの弱点を補えるのではないでしょうか。

ブラインド(日除け)

ブラインドは、トップライトからの日射しが強いときや暑いときに有効です。通常はきれいに畳まれ、収納されているため、見た目にもそれほど影響しません。

ブラインドは、自動開閉、手動開閉を問わず、どちらでも取りつけられるため、是非、備えておくと便利でしょう。ブラインドがあり、必要なときに光を遮れるかどうかで、暮らしやすさは大きく左右されます。

したがって、トップライトを取りつける方角にかかわらず、ブラインドは取りつけることがおすすめです。手の届かない位置にあるトップライトであれば、もちろんブラインドも自動開閉が可能です。

また、手動で開閉するブラインドであれば、より、インテリア性にこだわることもできます。

自動開閉のブラインドが比較的シンプルで、無機質であるのに対して、手動開閉の場合は、カーテンのような生地を使用したり、ドレープをつけたり、生地にゆとりを持たせ、たるませるデザインにしたりすることもできます。

トップライトから射し込む光が、緩やかにかかる日除けの生地で柔らかくなり、室内を照らすのもまた素敵です。

このように、室内のトータルコーディネートの一環として、トップライトのブラインドにもこだわりたい人には、手動開閉もおすすめです。

トップライトの形状によっては、市販の突っ張り棒や生地を使用して、好みの日除けを取りつけることもできます。

そうした場合、より自分好みのデザイン、布のたるませ感などを実現できる一方で、窓、ブラインドの開閉が少々面倒になるという注意点もあります。

加えて、ブラインドの自動開閉、手動開閉にかかわらず、ブラインドは閉じたままでも窓を開けることはできます。さらに、窓の開閉機能を付加せず、ブラインドだけを追加することも、もちろん可能です。

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網戸

網戸は、開閉するトップライトの場合、標準設備としてすでに組み込まれていることがほとんどですが、網戸もまた、付けておくべきものの一つです。

屋根など、高い場所にある窓だからと言って、通常の窓と比べて虫が入らないというわけではありません。

したがって、トップライトが開く場合は、網戸がついているかどうか、また、追加することができるかどうか、事前にきちんと確認しておくと安心です。

網戸は、自動で開閉するわけではなく、フィックスで常時はめられた状態のものが一般的です。網戸がないものと比べると、空などの見え方に多少の違いはありますが、見た目を著しく損なうものではないでしょう。

ただ、人によっては窓ガラスだけの方が良いと感じる人もいるかもしれないので、網戸の有用性を踏まえつつ、見た目についても事前に実物を見るなどして、確認しておくと良いでしょう。

<おすすめ機能>
○開閉機能(手動、自動の選択可)
○雨センサー(自動のみ)
○ブラインド(手動、自動の選択可)
○網戸(開閉機能を有する場合のみ)

設置場所

間取りや立地など、住宅の条件により、トップライトが取りつけられる場所は様々ですが、比較的自由に選択できる場合は、屋根の北側に取りつけることもおすすめです。

切妻屋根や寄棟といった、傾斜している屋根であっても、北側にトップライトを備えることは有用です。傾斜していると陰になり、トップライトを設けてもあまり意味がないのでは、と感じる人もいるかもしれませんが、その心配はほとんどありません。

通常の窓であれば、北側の窓に直接光が射し込むことは少ないですが、トップライトであれば、北側であってもほど良い光が当たります。

季節や時間帯によっては、直接射し込まなくなることもありますが、それでも、採光としては十分な光量を得られることがほとんどです。

北側の窓は、通常の窓であっても、トップライトであっても、安定した心地良い明るさが得られるという優れた特徴を持ちます。

したがって、トップライトを設置する場合は、北側の屋根に取りつけることも一考に値すると言えるでしょう。より良いゆとりある暮らしの実現のため、検討してみてはいかがでしょうか。

一方、トップライトを設置するなら北側がおすすめと述べましたが、異なる方角に取りつけられたトップライトが劣るというわけではありません。

南向きであれば、光に満ちた空間づくりの役に立てられますし、東向きであれば、朝日が射し込むトップライトが得られるでしょう。

このように、方角には決して間違いはありませんが、それぞれの暮らしや好みに合わせたトップライトが実現できるよう、それぞれの方角の特徴や注意点を知り、より良い日々を得られるようなトップライトを計画することも大切です。

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○厳しすぎる日射しを避けつつ、十分な光量を得るため、トップライトは北側の屋根に設けるのもおすすめ。

○個々の要望や、それぞれの方角の特徴を知り、暮らしに合ったトップライトを実現できるよう、住宅メーカーとしっかり相談する。

注意点

ここまでお伝えしてきた通り、トップライトには採光性や通風性において、自由度の高い優れたメリットがあります。一方で、設置する前に知っておくべき、注意点がいくつかあることも事実です。

トップライトを設けた住まいで暮らし始めてから、できるだけ後悔せずに済むよう、事前にトップライトの良い点と注意点を知っておくと、家づくりの計画にきっと役立てられるでしょう。

トップライトの大きさ

優れた採光が得られるトップライトですが、充実した明るさを求めるあまり、大きすぎるトップライトを設けるのは注意が必要です。トップライトが南側の屋根についている場合、そこから射し込む光は想像以上に厳しいものです。

特に、夏場は、強い日射しと相まって、空間が非常に暑くなることもしばしばあります。ブラインドを設置していたとしても、完全には日射しや暑さを防ぎきれないと思っておいた方が良いでしょう。

また、北側の屋根に取りつけたトップライトであっても、直射日光が当たることは十分にあり得ます。したがって、得たい光量と、暑さをきちんと検討して、あまり大きすぎるトップライトは設置しないようにするのも一つです。

ただ、南側と比べると、北側に取りつけるトップライトの方が、比較的大きめにできる傾向があると言えます。

一方で、トップライトが室温に影響するのは、夏ばかりではありません。冬もまた、トップライトから温度が奪われることで、空間が寒くなり得るのです。

つまり、大きすぎるトップライトは、夏は暑く、冬は寒い住環境をつくる可能性があります。そうした事態を避けるためにも、設置場所とともにトップライトの大きさにも気を配ることが求められます。

加えて、トップライトに使用する窓ガラスは、熱の影響をできるだけ最小限にとどめるため、断熱効果、遮熱効果の高いものを選択するのも対策としては効果が高いでしょう。

また、暮らす人やものに優しい、UVカット機能のある窓を採用することもおすすめです。さらに、災害時など、トップライトが割れて飛散することを防ぐために、強化ガラスや網入りガラスを選択すると安心です。

個人差があることではありますが、雨天、トップライトに雨が当たる音が気になる人もいます。したがって、音に敏感だという人は、そういった点からも、大きすぎるトップライトは避けた方が無難かもしれません。

ところで、トップライトに直接の関係がある設備ではありませんが、トップライトとともに、シーリングファンを設置するのも効果的です。シーリングファンとは、天井に取りつける扇風機やサーキュレーターのようなものを指します。

シーリングファンを取りつけることで、トップライトによる空間の温度変化をできるだけ減らしたり、トップライトと相まって、通風や室内の空気の循環をスムーズにしたりする効果が得られるでしょう。

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トップライトがつけられない場所

トップライトは、一般的に屋根に設けます。したがって、当然ですが、二階部分がある一階には取りつけることができません。そうした場合には、高窓をつけるなど、トップライトとは異なる窓を設ける必要があります。

したがって、総二階の住宅だと、一階部分にはトップライトが設置できないのです。一階の中央部などは、光が届きにくいため、暗くなりやすく、日中でも照明を点ける可能性があります。

トップライトをつけることで、光量不足を解消したい場合には、総二階を避けたり、居住部をできるだけ二階にするなど、計画段階での工夫が求められるでしょう。

もちろん、必ずしもトップライトを家づくりの中心として考える必要はありませんが、空間の明るさ、という視点を持っておくだけでも、家づくりに新たな光を当てられるのではないでしょうか。

メンテナンス性

屋根に窓を設ける、つまり、開口部をつくることは、長寿命の住宅ではない、という見方もできます。開閉式のトップライトであれば、なおさら、そういった考え方は強まる傾向にあるでしょう。

トップライトは、低い天井についている場合は別ですが、吹き抜け部など、日常のお手入れが難しい場所に設置してあることも少なくありません。

したがって、トップライトを計画に盛り込む際には、住宅メーカーなどとアフターケアについてきちんと相談することが求められ、そうすることで、安心した暮らしにつながるでしょう。

トップライトの問題点の一つとして懸念されるのが、雨漏りです。そのため、防水性の高いトップライトを設置するとともに、屋根の傾斜をきちんと計画することも大切です。

トップライトの計画に限ったことではありませんが、住宅メーカーや設計士と、納得がいくまで話し合うことも、ゆとりある暮らしを実現するためには必要と言えます。

加えて、トップライトが自動の開閉式である場合、開かなくなる、あるいは閉まらなくなるといった不具合も想定できます。そのため、そうした事態の対応や修理、不具合を避けるための定期点検についても、住宅メーカーに確認しておくと安心です。

また、トップライトの掃除を依頼できる業者を事前に調べたり、選定しておくこともおすすめです。トップライトは雨が当たり、雨水が流れることもあり、それほど汚れが蓄積するわけではありませんが、徐々に汚れたり、曇ったりすることは避けられません。

特に、鳥のフンなど、こびりつきやすい汚れは、なかなか自然には落ちません。目立つ汚れがあったり、何となく曇っていたりすると、せっかくのトップライトも、見上げるのが嫌になってしまうでしょう。

トップライトの清掃は屋根に上がる必要があり、高所での作業であるため、気軽に自分で行えるものではありません。したがって、汚れが気になるときや定期的な清掃を頼める業者を調べておくと心強いです。

そうした清掃も、住宅メーカーのアフターサービスに組み込めるかどうかを確認しておくのも良いでしょう。

○トップライトは、夏暑く、冬寒い住環境をつくってしまうことも。
○直射日光がまぶしいことも。
⇒トップライトの大きさ、取りつける方角に気をつけ、ブラインドや、断熱効果の高いガラスを用いる。

○総二階の一階部分など、屋根がない所にはトップライトはつけられない。

○トップライト(開閉式は特に)長寿命住宅ではないという考え方も。
○トップライトが高所の場合、日頃のお手入れが大変なことも。
⇒アフターサービス、定期的な掃除、定期点検など、事前に住宅メーカーに確認し、必要に応じて、専門業者の選定を行っておく。

トップライトで豊かな光に包まれる

今まで、照明を点けることが当たり前だった空間に自然光が降り注ぐ、そんな光景を想像するだけでも、その心地良さにうっとりとしてしまう人もいるのではないでしょうか。

居室はもとより、洗面所や廊下などが自然光で満たされているのは、想像以上に気持ち良く、清々しいものです。晴れや雨にかかわらず、毎日の天気を空を見上げて確認することも、素敵ではないでしょうか。

暗い曇り空や雨であっても、光がまったくないわけではありません。トップライトは、そうしたわずかな光を採り込むのが上手な窓です。

曇りがちな日が続く日や、梅雨時期など、暗く淀んだ気持ちを少しでも解消してくれる存在に、トップライトはなり得るかもしれません。梅雨の雨を鬱陶しいと考えず、時に情緒や風情と捉えられるゆとりを、トップライトはもたらしてくれるのではないでしょうか。

何よりも、晴れ渡った空や、様々な形の季節を知らせる白い雲を、ふと見上げるひと時は、深呼吸をしたような心持ちになれます。

月が明るい夜は、トップライトから月明かりが射し込むこともあります。もちろん、日中のような明るさはありませんが、真夜中、トイレに起きたときなど、照明なしで歩けるほどの明るさがあることもあります。「月はこれほどにも明るいんだ」と、寝ぼけ眼で嬉しい再発見ができる瞬間かもしれません。

真夜中の静けさのなか、柔らかな光に包まれるのも、トップライトがある暮らしならではでしょう。天気や季節、時間帯によっては、星が見えることもあります。稀ではありますが、流星群の方角とトップライトの方角が揃ったときなどは、圧巻です。

大人はもちろん、子供がいる家庭は、取り分け空の自然にかかわる機会が増えるとも言えます。たかがトップライトではありますが、子供の感性は想像を遥かに上回ります。

家族で自然光が満ちるトップライトの下に集い、時に皆で空を見上げる時間を想像すると、少しだけ「トップライトも良いな」と思ってもらえるのではないでしょうか。

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まとめ:「トップライト」空と部屋をつなぐ窓

トップライトは、屋根や天井に設ける天窓を指します。トップライトには、優れた採光が期待できるメリットがあり、開閉機能を付加すれば、通風も確保できます。

このように、トップライトには、住環境を快適にすると同時に、暮らしをゆとりあるものにする効果があると言えるでしょう。

快適な暮らしのため、トップライトには便利な機能や、適した設置場所、注意点がいくつかあります。そうした事柄を事前に把握し、住宅メーカーなどときちんと話し合いをすることで、より良いトップライトが実現できます。

照明に頼りすぎない、自然光が充実した住まいを希望する際は、トップライトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。