【屋根裏収納】空間を有効活用!大容量収納が「平屋の弱点」を解消

様々なメリットがある平屋。新築を計画する際、住む家は平屋が理想だという人も多いのではないでしょうか。一方、平屋では、住宅のすべての機能を一つのフロアに集約する必要があります。

そのため、平屋は二階建て以上の住宅と比べ、広い土地が必要だったり、間取りを縮小する必要があったり、欲しい機能を諦めたりしなければならないと考える人も少なくないでしょう。

加えて、住まいは、様々な要素に面積を割く必要があるため、十分な収納スペースが確保できないということも考えられます。いくら生活空間が充実しても、生活に必要なものをきちんと収納できるスペースが確保できなくては、理想の住まいが実現したとは言い難いです。

こうしたことから、平屋の実現は広い土地があってこそだと思われるかもしれません。ただ、平屋には、平屋だからこそできる、有効な空間活用の方法があります。平屋でも、大容量の収納の実現に役立つのが、「屋根裏」空間の有効活用です。

「収納の確保」が平屋への第一歩

二階建て住宅では可能だった間取りが、平屋では難しくなってしまうという事態を懸念し、平屋を諦めている人も少なくないのではないでしょうか。

理想の暮らしを実現すべく平屋にしたものの、平屋にしたがために十分な収納スペースが確保できなかった、ということになれば、生活の利便性は大きく損なわれてしまいます。

そうした暮らしづらさを避けるために、平屋が理想であっても、違った選択をした方が結果的に暮らしやすくなるということもあり得ます。ただ、もしも、考え方や計画次第で、平屋にする余地が残されているのであれば、できるだけ理想を実現したいものです。

居住空間のほか、生活に不可欠なお風呂などの水回り空間以外で、住宅になくてはならないのが収納スペースではないでしょうか。そして、住宅の面積が限られるとき、何かと犠牲になりがちなスペースもまた収納スペースだと言えます。

つまり、収納スペースを確保することは、二階建て住宅はもちろん、平屋住宅でも重要なことです。言い換えれば、平屋であっても収納スペースの確保ができれば、平屋を建てられる可能性が高まると言えるのではないでしょうか。

もちろん、収納さえ確保できれば平屋が建てられるというほど単純なものではありませんが、しかし、平屋を実現するために、越えなくてはならないステップの一つが収納スペースの確保であることも確かです。

ただでさえ、二階建て住宅と比べて広い土地が求められることが多い平屋で、十分な収納を確保するのは難しいと考える人も多いかもしれません。しかし、平屋には、「屋根裏」という心強い空間があるのです。

そして、屋根裏を上手く活用することで、平屋でも大容量の収納スペースを確保することができます。一続きの大きな空間を収納に割くことができるのは、一見収納スペースの確保が難しそうな平屋ならではです。

○収納スペースは居住空間と同じくらい大切。
○収納を確保することが、平屋を実現する第一歩。
○平屋には、大容量の収納スペース「屋根裏」がある。

「屋根裏」の実力

屋根裏の上手な活用は、収納スペースを諦めない、素晴らしい平屋生活の実現に役立ちます。平屋住宅は一般的に、横に長い造りになることが多いという特徴があります。

これは、二階建て住宅であれば二つのフロアに分散できる家の様々ば機能を、平屋ではすべて一つのフロアに配置する必要があるためです。したがって、載せる屋根の面積も、平屋では比較的大きくなります。

屋根の形状にもよりますが、屋根が大きくなるということは、一般的に屋根裏の空間は広くなります。居住空間の上の屋根裏部分を、そのまま収納空間にすることができれば、大容量の収納を実現することが可能です。

屋根裏は、居住空間のように壁で仕切られている部分が少ないため、一続きの大空間として使用できることも魅力でしょう。また、屋根裏収納でありながら、ロフトのような雰囲気を持たせることもできます。

ただ、屋根裏は、ロフトのように、部屋の一部として人目に触れることの多い空間ではないため、壁紙や床材を張って、体裁を整える必要は必ずしもありません。つまり、収納空間に余分な費用をかけずに済むのも屋根裏収納の強みです。

○平屋の形状を活かし、広い屋根裏を活用できる。
○一続きの大空間を収納に活用できるのは平屋ならでは。
○内装費など、余分な費用をかけなくて済む。

屋根裏収納の使い方

屋根裏に大容量の収納があれば、居住空間に大きな収納スペースを設け、生活空間を圧迫する心配も減ります。そして、居住空間を優先し、収納スペースを犠牲にする心配もなくなるでしょう。

屋根裏を収納スペースとしたときのその具体的な使い方は、決して難しいものではありません。普段はあまり使わないものや、季節性の衣類、家電など、通常は押し入れにしまっておくようなものを収納する場所だと捉えるとわかりやすいでしょう。

扇風機や加湿器、除湿器など、季節によっては必要になるけれど、通年はあまり使わないような家電類は、押し入れなどにしまうと思いのほかかさばるものです。

また、季節外れの衣類では、コートやダウン、セーターなどは、夏物と比べると収納スペースをとってしまいます。

加えて、使用頻度の高くないスーツケースや旅行鞄、もう使わない子供のランドセルなど、使用頻度の少ないものや、使わないけれど捨てられない大切なものも少なくありません。そうしたものをまとめて収納できるのが屋根裏収納です。

普段、人が居住する空間ではないため、屋根裏の内装に予算を割く必要はありませんが、それでも、予算に余裕が生まれた場合は、屋根裏の壁紙や床材を検討するのも良いかもしれません。

屋根裏を素敵に演出してみると、普段使わない部分でも、好きな空間にすることが可能です。そうした収納スペースが、素敵な空間になっていることは、思いのほか気持ちにも影響をもたらし、生活に彩りを運んでくれるでしょう。

屋根裏に機能性を持たせたい場合は、ハンガーをかけるパイプを設置しておいたり、小規模な棚を造作しておくのも便利です。

加えて、少数で十分ですが、コンセントもつけておくと、梅雨時期に除湿器を運転させたり、お洒落な照明で雰囲気を作ったりしたいときなど、何かと便利でしょう。

〈屋根裏収納にしまうものの例〉

○季節性の衣類(かさばる冬物など)
○季節家電(扇風機、加湿器、除湿器など)
○スーツケース、旅行鞄
○子供の思い出の品

こうした様々なものを、ひとまとめにしまっておけるのが、屋根裏収納の強み。

屋根裏に衣類などを収納する場合、シーリングファンを設置し空気を攪拌することで、衣類をカビや虫食いから守ることにつながります。下記の記事も参考にして頂ければ幸いです。

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屋根裏の形状を活かす

屋根裏と聞くと、狭く暗いイメージがあるかもしれませんが、収納スペースとして活用するという前提のもと計画すれば、そのような後ろ向きなイメージは払拭することができます。

二階部分がないという特徴を活かし、平屋に吹き抜けを設ける家も多くあります。そうした住宅では、通常の平屋と比べ、屋根が高くなることも少なくありません。屋根が高くなるということは、つまり、屋根裏空間に高さが生まれ、より使い勝手が良くなることを意味します。

吹き抜けがある部分は、屋根裏空間の活用をすることができないため、一続きの大空間にはできませんが、それでも吹き抜け部分以外の屋根裏を収納に活用するだけでも、比較的大きなスペースを生むことができるでしょう。

吹き抜けを設けない場合でも、少し高めに屋根を設けるだけで、屋根裏にゆとりをもたらすことが可能です。この方法なら、吹き抜けのある住宅と比べ、屋根の高さを抑えることができ、あまり屋根を高くしたくない場合でも有効だと言えます。

また、屋根裏にも照明を取りつけることは容易で、屋根裏用にトップライト(天窓)を設けることも可能です。トップライトは、小さなものが一つあるだけでも、空間の明るさに影響を与えるため、設置を検討するのも一つの選択肢です。

○高い屋根を活かすと、屋根裏空間にゆとりが生じる。
○トップライト(天窓)もおすすめ。

平屋を諦めない

平屋にする場合、二階建て住宅を建てるときに比べ、広い土地が必要になることも少なくありません。屋根裏空間を有効に活用した場合でも、二階建てとまったく同じ面積の土地で平屋が建てられるとは限らないのです。

それでも、平屋だからといって、二階部分をそのまま一階に降ろしてくるわけではないので、総二階住宅の二倍の広さの土地が必要になるわけではありません。

平屋にすることで、二階部分の廊下などといった共用部を減らすこともできます。好みや、空間の制限、予算にもよりますが、屋根裏に上がるための階段やはしごは、通常の二階建て住宅に設ける階段よりも省スペースであることも少なくありません。

また、平屋はつながりのある空間を作り出すことが得意であるため、空間と空間を上手く結ぶ間取りにすることで、無駄な空間をできるだけ作らないようにすることが比較的容易です。

このように、平屋にするからといって、二階建て住宅の二倍の広さの土地が必要になるとは限りません。そして、限られた土地でも、できるだけ平屋という理想を叶えるのに役立つのが、屋根裏空間の活用だと言えます。

○「平屋の土地=二階建ての二倍」ではない。
○平屋だからこそできる、空間の有効活用法がある。
○屋根裏空間の有効活用が、平屋の実現に役立つ。

まとめ:平屋には「屋根裏」がある

新築で平屋の住宅を建てるのが理想でも、平屋には広い土地が必要だと考え、最初から諦めてしまう人も少なくありません。

しかし、平屋は、廊下などの余分な共用スペースを減らしたり、無駄な空間を減らしたり、空間と空間を上手に結びつけたりすることに長けた住宅でもあります。

そして、平屋には、一続きで大容量の収納スペースを確保できる、屋根裏を活用する方法があります。屋根裏空間の有効活用により、ゆとりのある居住空間の計画が可能になるでしょう。

収納スペースが居住空間を圧迫したり、居住空間の充実が収納スペースを犠牲にしたりするようなことも、屋根裏を活用することで避けられるのです。理想の間取りが実現できても、暮らしに必要なものが収納できない家では、十分とは言えません。

そうした事態を避けるためにも、平屋を諦めず、理想を実現するためにも、屋根裏を大空間の収納スペースとして活用する平屋住宅を検討してみてはいかがでしょうか。