【フロランタン】美味しさの3拍子~こっくり甘いふくよかなお菓子~

味わいはもちろん、見た目にも美味しいお菓子、フロランタン。キャラメルの滑らかな光沢に、アーモンドなどのナッツが美しい起伏を作り出す、美しいお菓子です。キャラメルやアーモンドの下では、フロランタンに欠かせない要素の1つ、サブレ(クッキー)が美味しさを支えています。

キャラメルとアーモンド、サブレが織りなす、香り高いふくよかな甘味、奥行きのある味わいが楽しめます。美味しいお菓子は、日々にほっとするひと時をもたらしてくれるでしょう。フロランタンの味わいは、口からじっくりと広がり、ふうっと息をつきたくなる、そんなゆったりとした美味しさです。

フロランタンは様々な場所で買うことができるお菓子ですが、だからこそ、その品質や美味しさも様々です。ここからは、フロランタンが好きな人にも、そうでない人にもお伝えできるよう、フロランタンの基本的な知識をはじめ、本当の美味しさ、魅力を紐解いていきます。美味しいフロランタンの選び方も、併せて紹介しますので、よろしければ参考にしてください。

フロランタンとは

歯触りの良いサブレに、スライスアーモンドなどのナッツを併せたキャラメルソースをかけて焼いたお菓子が、フロランタンです。サブレやクッキー好きはもちろん、キャラメルの、コクがある丸い甘味が好きだという人にも喜ばれるお菓子と言えます。

さくさくした食感だけでなく、ぽりぽり、ざくざく、ねっとりといった様々な食感を楽しめるのもフロランタンの特徴です。心地良い歯触りが楽しめる一方で、口のなかで美味しくほどけてゆく感覚にうっとりとしてしまう人もいるのではないでしょうか。

噛むたびに味わい深いサブレと、香り高いアーモンド、そして、甘いだけではない奥行きのあるキャラメルソースが、何とも言えない美味しさで口を満たしてくれます。

○フロランタンは、サブレ(クッキー)、アーモンド(ナッツ類)、キャラメルからなる焼き菓子。

フロランタンの歴史

フロランタンはフランスのお菓子ですが、その発祥の地はイタリア、フィレンツェだとも言われています。そもそもフロランタンという言葉の意味が、フランス語で「フィレンツェ」あるいは「フィレンツェの」を指す単語であることがその根拠となっています。

お菓子の名前の由来には諸説あり、実のところ、何が本当かは定かではありませんが、ただ、フランス語でフロランタンがイタリアの都市の名称、フィレンツェを意味する言葉として現在も使用されていることは事実です。

加えて、イタリアは、フロランタンには欠かすことのできない、アーモンドの名産地であることでも知られています。その年によって多少の変動、推移はあるものの、イタリアは、世界のアーモンド生産量の国別順位で、10位以内に入ることもしばしばです。

こうしたことからも、フロランタンがイタリア発祥のお菓子だという説が有力になっているのかもしれません。

ところで、フロランタンがイタリアからフランスに伝わった経緯ですが、遡ることおよそ500年、後のフランス王、アンリ2世となるフランスの王子の元へ、イタリアから嫁いだ女性に伴った菓子職人が伝えたと言われています。

その女性は、カトリーヌ・ド・メディシスという人物であり、イタリアはトスカーナ州、フィレンツェの出身です。彼女の出身である一族、メディチ家は、トスカーナ州やフィレンツェでも有力な政治家、銀行家であり、フロランタン発祥の地とも言われるフィレンツェとは深いつながりがありました。

このように、フロランタンは、イタリアからフランスに伝わったと言われていますが、しかし、その後、イタリアではフロランタン作りがそれほど盛んではなくなったことから、現在ではフランス菓子として定着しているようです。

何はともあれ、そんな美味しいお菓子が、巡り巡って日本にまで届き、現在では多くの人に親しまれていることは、とても喜ばしいことではないでしょうか。

○フロランタンはフランス菓子。
○発祥はイタリア、フィレンツェとも言われている。
○フロランタンは、フランス語で「フィレンツェの」という意味を持つ。
○イタリアは、フロランタンに欠かせないアーモンドの生産量が多い国。

フロランタンの魅力

フロランタンにまつわる前置きが少々長くなってしまいましたが、ここからはフロランタンの魅力をお伝えします。

1.口福

フロランタンの魅力は、何と言ってもその味わいです。こっくりとした甘さ、サブレのふくよかな味の広がり、そしてキャラメルの奥行きのある余韻、アーモンドの香り、そうした複数の要素が織りなす味の連なりと、それでいて一体感のあるまとまりが、フロランタンの美味しさではないでしょうか。

キャラメルは比較的味わいの強い要素ですが、そのキャラメルがあることで引き立つサブレの風味を楽しめるの点も、フロランタンの優れたバランス感覚と言えます。また、キャラメルと、アーモンドをはじめとするナッツ類との相性の良さも絶妙です。

また、味わいと並んで、フロランタンの魅力に欠かせないのが、豊かな食感です。歯触りの良い、ぽりぽり、かりかりとした食感とともに、キャラメルやアーモンドの風味が口いっぱいに広がります。そして、口のなかでほろほろとほどけてゆく、さっくりとしたサブレの食感が続くのです。

最初の、やや歯応えのある食感と、その後の、軽やかでありながらふくよかな食感こそが、フロランタンの豊かな味わいを支える大切な土台とも言えるのではないでしょうか。

繊細かつ複雑でありながらまとまりのある味わいと、甘さや風味に寄り添うように変化する食感、そうしたものがフロランタンの美味しさであり、魅力であり、食べる人の口に幸福をもたらしてくれるはずです。

一口食べたら、思わずふうっと息をついてしまう、そんなゆとりある口福を是非味わってみてください。

〈口で楽しむ魅力〉
○キャラメルの複雑で奥行きのある甘さ。
○アーモンドの香り。
○サブレのほろりとふくよかな味わい。
○繊細、複雑でありながら、まとまりのある美味しさ。
○豊かな食感。

2.美しい選択肢

花の都とも呼ばれ、芸術や文化の源流、発信地として名高いフィレンツェ。その地で作られたフロランタンは、目にも美味しい美しさがあり、その名にふさわしいお菓子と言えます。

キャラメルの深い色合いと、キャラメルをまとったアーモンドの色合いが、落ち着きのある濃淡となり、ブラウン系の同系色でありながら、味わい同様の奥行が感じられます。

また、そうした色合いと相まって、上品さや高貴な雰囲気をもたらすのが、キャラメルが作り出すフロランタンの表面の艶です。そこにスライスされたアーモンドが丁寧に隆起する様は、フロランタンの繊細さや、味わい深さ、上品さを上手く表現しているようでもあります。

このように、口福だけなく、眼福でもあり、様々な感覚を素敵に満たしてくれるフロランタンですが、実はその種類は意外と多いのです。

洋菓子店や作り手によって、フロランタンの味わいや食感、見た目は意外と異なるものです。ですから、フロランタンの種類が多いというよりも、様々な個性のフロランタンがある、と言った方が正しいかもしれません。

その違いは実に様々であり、キャラメルやサブレの甘味の深度の違いをはじめ、サブレの食感がぼりぼり、ぽりぽり、さくさく、ほろほろなど、その口当たりの印象が大きく違うことも少なくありません。

口当たりの違いで言えば、キャラメルが、かりかり、ぽりぽりとしているフロランタンもありますが、ねっとり感の強いヌガーのような美味しさがあるものも多くあります。

加えて、キャラメルの粘度が高いと、フロランタン表面の艶が強まる傾向にあると言えます。このように、見た目の違いは、味わいや食感も左右することがあるため、好みのフロランタンを選ぶ際は、そういった点を指標にするのも面白いのではないでしょうか。

さらに、フロランタンは、キャラメルとナッツ、サブレの組み合わせによるものが一般的ですが、柑橘の風味を加えたものも目にする機会があります。濃厚なフロランタンンと、さわやかな柑橘によって、味わいに変化が生まれ、違った美味しさを楽しめる魅力があるでしょう。

柑橘によって、味わいが軽やかになりさっぱりとする、という見方もあるかもしれませんが、一方で、柑橘によって味わいがより複雑になる、というのも間違いではありません。柑橘タイプのフロランタンは、もちろんお店によって違いはありますが、光沢や艶が強い、ヌガータイプの表面を有していることが多いという印象があります。

このように、フロランタンには、様々な美しさがあり、様々な美味しさがあります。見た目から味わいを想像してみたり、良い意味で見た目からの想像を裏切られたりしながら、色々なフロランタンを味わうのはいかがでしょうか。きっと、自分にぴったりの、好みのフロランタンを見つけることができるはずです。

〈目で楽しむ魅力、選べる魅力〉
○ブラウン系で統一された色合いの美しさ。
○表面の艶。
○アーモンドとキャラメルが作り出す、表面の起伏、景色の美しさ。
○艶、食感の異なるフロランタンを選べる楽しさ。
○柑橘系の香りが豊かなフロランタンも。
○濃厚なフロランタン、軽やかなフロランタン。

3.充実感

フロランタンは通常のサブレと比べ、ややずっしりとした質感があります。キャラメルとサブレが相まって、満足感の高いお菓子に仕上がっていることも、フロランタンの魅力です。

小休憩やちょっとしたお茶の時間に、ケーキなどの生菓子を用意するのももちろん素敵ですが、もう少し手軽に楽しみたいときもあるのではないでしょうか。せっかく束の間のゆったりとした時間を過ごすのですから、用意するのに時間をかけず、洗い物も増やさずに楽しめるお菓子が時に重宝します。

フロランタンは、十分に満足感が得られ、手軽に楽しめて、ちょっとした時間をちょっぴり優雅にしてくれる、そんなお菓子なのです。

ゆったりと、まったりとした時間を過ごせ、そして、「よし、やるぞ!」と思えるような満足感を、元気の源として与えてくれるフロランタンは、様々な時間のお伴に最適です。

生菓子でゆったりとお茶を楽しむと、テーブルから離れたくなくなり、椅子から立ち上がるのが億劫になってしまうことは誰にでもあります。それは決して悪いことではなく、そうした時間は必要なものであり、大切なひと時でもあります。

しかし、「まだやることがあるけれど、ちょっと一息つきたい」というときには、そうした時間の使い方を避けたい人もいるかもしれません。そうしたときにも、フロランタンは、適切な距離感でゆとりをもたらしてくれるはずです。

一方、フロランタンは生クリームがたっぷりの生菓子ではありませんが、ケーキをゆっくりと楽しむような、改めて設けるティータイムにも適しています。フロランタンは生菓子に劣るものでは決してなく、素敵なお茶の時間のお伴にもぴったりな上品なお菓子です。

このように、きちんとしたお茶の時間、小休憩、おやつ、そうしたどういったときにも、フロランタンは寄り添い、満足感を与えてくれるでしょう。ゆったり、まったりと一息つかせてくれるフロランタンは、長時間のティータイムや、短時間の小休憩など、幅広い時間に食べられる素敵な充実感のあるお菓子です。

〈心と体を満たしてくれる魅力〉
○フロランタンは手軽に用意することができる。
○高い満足感や充実感を得られる。
○ゆとりある日々につながる元気の源に。

美味しいフロランタンの選び方

フロランタンは、限られた場所でしか買えない特別なお菓子ではなく、今では様々な場所で手軽に求められる身近なお菓子です。どこででも手に入るフロランタンだからこそ、美味しいと感じるもの、人によってはそうでもないと感じてしまうものなど様々であり、正に玉石混淆と言えます。

せっかく、ゆったりとした時間をともに過ごすお菓子ですから、できるだけ美味しいフロランタンを選びたいものです。コーヒーや紅茶を用意して、楽しみにしていたフロランタンを一口かじったとき、あまり美味しくなかったら、がっかりの気持ちは意外と大きいものです。

そんなショックを受けずに済むように、美味しいフロランタンを選ぶ目安をお伝えします。過去に「フロランタンってそんなに美味しくないんだ」という経験があり、それ以降フロランタンから遠ざかっているという人も、以下のことを参考にして、もう一度フロランタンを試してみてはいかがでしょうか。

味覚にはそれぞれ好みがあり、感じ方も異なります。また、見た目だけではなく、食べてみなければ本当の味わいはわからないというのが正直なところです。しかし、以下に挙げるような点を意識してみるだけでも、美味しいフロランタンを選べる確率は上がるでしょう。よろしければ、参考にしてください。

ずっしりした質感

コンビニやスーパーマーケットなどであれば、常識の範囲内で、商品を触って確かめることもできます。持ったとき、ずっしりとした感覚が得られるような、重みのあるフロランタンを選ぶのも一つの方法です。

好みはありますが、サブレやキャラメルの密度が、ぎっしりと詰まっているようなフロランタンは、比較的美味しいものが多いと言えます。したがって、持った際、あまりに軽いと感じるものは避けると良いかもしれません。

コンビニ等だけではなく、洋菓子店でも、個包装になっている場合や許される場合には、お菓子を手に取ることも可能です。そうしたときにも手で何となく重さを量り、美味しい重さの基準を自分のなかに持っておくと、判断しやすいでしょう。

キャラメルの具合

キャラメルの質感は、フロランタンの美味しさを大きく左右します。キャラメルには、艶のあるヌガーのようものや、艶があまりないマットな質感のものがありますが、そのどちらであっても、キャラメルの表面が乾いた様子のものは避けた方が良いでしょう。

美味しいキャラメルは、艶のあるなしにかかわらず、どこか人を惹きつける光沢があります。マットな質感のキャラメルであっても、照明の加減によっては、輝く瞬間がありますし、フロランタンにおけるマット感と乾いていることは似ているようでもまったく違います。

キャラメルの艶が多いか少ないかで決めるのではなく、キャラメルが活き活きとしているかどうかで、見極めることが大切です。艶が多いものでも少ないものでも、美味しいフロランタンはたくさんあります。艶だけではなく、キャラメルが乾いていないかどうか、その質感も確かめるようにしましょう。

また、キャラメルの層が薄すぎると、どこか物足りないフロランタンだと感じてしまうこともあります。もちろん、総合的なバランスを考えた、計算されたフロランタンである可能性もありますが、菓子職人の手作りではなく、工場生産で安価な、量産されるフロランタンである場合は、キャラメルの層の厚みを見てみると良いでしょう。

加えて、キャラメルをまとったアーモンドが美しく隆起しているフロランタンを選ぶのも、素敵な選択です。キャラメルにアーモンドが加えてあっても、アーモンドがキャラメルに沈んだり、埋もれたりするような印象がある、平面的なフロランタンがあります。

一方、アーモンドがキャラメルのなかで立ち上がり、表面に複数の隆起が見られる、立体的なものもあるのです。そうした場合、立体的なものは、職人の手によって、手間暇をかけて作られたものの可能性が高まります。

さらに、アーモンドが隆起し、キャラメル層に起伏が生じることで、食感やアーモンドの香り、味わいの感じ方がより豊かになるでしょう。こうしたことから、フロランタンの表面の具合を見ることは有効です。

手に取って触ることができない場合でも、こうしたことは目で見るだけでも確かめられることですので、誰にも迷惑をかけずに美味しいフロランタンを選ぶことができます。

フロランタンの穴

様々なフロランタンを見ていると、なかにはフロランタンに隙間があるものも見かけます。その隙間がキャラメルにある場合もサブレにある場合もありますが、そのどちらであっても、ずっしりと美味しいフロランタンではない可能性があります。

場合によってはすかすかとした、軽すぎる食感であることもあり、フロランタンに求める味わいや風味が十分に感じられないことにもつながります。サブレがまるでウエハースのようなフロランタンもなかにはあるので、取り分けそうしたフロランタンが好みだという人以外は、注意した方が良いでしょう。

もちろん、これはフロランタンの選び方であって、ウエハースを否定しているわけではありません。単に、フロランタンに求める質感と、ウエハースの美味しさや食感は異なる、という意味です。

どういうフロランタンがずっしりとした質感なのか、その重みを量りかねる場合には、このような穴や隙間がないかどうかを確かめるのも一つの方法です。

筒状のケース

筒状の透明なケースに、棒状のフロランタンを詰めて売っている洋菓子店もあります。これはあくまで参考程度のお話ではありますが、そうしたフロランタンは手間がかけられていて、美味しいことが多い傾向にあります。

非常に単純な目安ですし、絶対とは到底言えませんが、意外と当てになる指標でもあるのです。そもそも、筒状の細長い透明なケースに、棒状のフロランタンが収まっている様は、何とも言えない美しさがあり、見るだけで嬉しくなってしまいます。

もしも、そういった形状のフロランタンを見つけた際には、試してみるのも良いのではないでしょうか。

値段

値段が高ければ美味しい、そう言いたいわけではありませんし、そうした考え方には思わぬ落とし穴があることも少なくありません。一方で、材料を吟味し、手間をかけ、丁寧に作られた見た目の美しいフロランタンは、相応の価格であることが多いと言えます。

事実、フロランタンは、洋菓子店などでも、一般的な焼き菓子と比較すると、少々高めの価格設定になっていることが多く、そうした値段に気づいた人もいるのではないでしょうか。

例えば、前項に挙げた、筒状のケースに収められたフロランタンの場合、1ケース800円ほどすることもあり、お店の立地などによっては千円を超えることも決して珍しいことではありません。

そうしたもののなかにも、好みとは違う、というものはあるかもしれませんが、低品質で美味しくない、というものはあまりないでしょう。したがって、価格を目安にフロランタンを選ぶのも一つです。

低価格のものがすべて美味しくないというわけではないので、様々なものを試すのが一番ですが、一方で、フロランタンの表面的な味わいではなく、奥行や余韻といったものを楽しみたい場合は、フロランタンに職人が費やした時間の流れごと購入するという思いで、値段に裏づけられた品質のものを選ぶのも素敵な選択です。

〈フロランタンを選ぶポイント7つ〉
①重みのあるずっしり感。
②豊かな艶、惹きつけられる光沢(乾いていない)。
③アーモンドがキャラメルの上で躍動している(立体的で埋もれていない)。
④キャラメル層やサブレ生地に隙間がない。
⑤職人が作る洋菓子店で購入してみる。
⑥お洒落な筒状のケース(あくまで目安の1つ)。
⑦少しだけ値段が高くても良しとする。

フロランタンとコーヒー

美味しいお菓子には、美味しい飲み物が欠かせません。特に、ゆったりとした時間を過ごすのなら尚更ではないでしょうか。フロランタンは、奥行や深みのある、コクのあるお菓子です。また、キャラメルやアーモンド、サブレは、甘さだけではなく、ほんのりとした香ばしさを食べる人に感じさせることも忘れません。

そんな、味わい深いフロランタンには、コーヒーが良く合います。深く息を吸い、ゆとりある時間に身を委ねたいときには、是非、フロランタンとコーヒーを用意してみてはいかがでしょうか。

コーヒーの味を表現する際、「アーモンドのような香り」、「キャラメルのような味わい」などと例えることがあります。そして、アーモンドやキャラメルと言えば、フロランタンに欠かせない要素です。こうしたことからも、コーヒーとフロランタンの相性の良さが理解できます。

また、柑橘の香りがあるフロランタンや、比較的さっぱりとした味わいのフロランタンなら、中煎り程度のコーヒー豆との相性が良いでしょう。加えて、深いコクのあるフロランタンや、比較的甘みの強いフロランタン、アーモンドの香り高いフロランタンなら、深煎りのコーヒー豆を選ぶの素敵な選択です。

フロランタンとコーヒーがテーブルに載っている光景は、想像するだけでも嬉しくなります。ブラウンの同系色でまとまった統一感と、湯気とともに立ち上がるコーヒーの香り、一口かじれば、ぽりぽり、ほろほろ、と広がる美味しい食感と甘さ。ついついたくさん食べてしまう組み合わせです。

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○フロランタンの奥行きのある味わいはコーヒーとの相性が良い。
○フロランタンの味わいに応じて、コーヒー豆の焙煎深度、コーヒーの抽出具合を調整するとさらに素敵な味わいに。

手作りもできるフロランタン 

フロランタンは、洋菓子職人の手で繊細に作られるお菓子ですが、一方で、お家で手作りすることもできる親しみやすいお菓子でもあります。

慣れないうちは、何かと難しいと感じる工程もあるかもしれませんが、手作りできるお菓子のなかでは比較的シンプルな手順であり、難易度はそれほど高くないと言えます。材料も、特別なものはなにも必要ないので、準備にあれこれ時間がかかるということもないでしょう。

フロランタンに限ったことではありませんが、「美味しい」と感じたものは、自分でも一回作ってみたくなるのは何故なのでしょうか。「作ってみたい」と感じたことがある人は、意外と多いのかもしれません。

そうした気持ちがふと芽生えたときは、フロランタンを手作りするのも楽しいでしょう。自分好みの甘さ、ナッツの種類、食感などの変化を楽しめるのも手作りならではです。

ちょっと贅沢にキャラメルをたっぷり、なんていうのも時に嬉しい瞬間となり得ます。極端な配分の変更は失敗につながることもありますが、失敗しない範囲を探っていくのも、楽しい時間です。

没頭できる時間を持つことは、ゆとりある日々や暮らしにきっとつながります。もちろん、頑張りすぎることなく、手軽に美味しいフロランタンを買って、のんびり過ごすことも素晴らしいひと時です。

○フロランタンの作り方は意外とシンプル。
○慣れれば上手に手作りできる。
○自分好みのフロランタンが作れる。

フロランタンでおうち時間をちょっぴり優雅に

フロランタン。その名の響きには、お洒落さだけではなく、どこか温かく、優しい雰囲気も感じられるのではないでしょうか。名前の由来がフィレンツェであることを知れば、遠い異国に思いを馳せ、束の間、日常を忘れられるひと時になるかもしれません。

統一感のあるブラウンのグラデーションと艶やかさが相まって、見た目にも美しい深みのある、少し贅沢な装いのお菓子がフロランタンです。

見て嬉しくなり、食べてほっこりとする、そんなお菓子は、多くの人のおうち時間をちょっぴり優雅にしてくるのではないでしょうか。

ちょっと一息、休憩時間に、湯気が香り立つコーヒーとともに、フロランタンで深呼吸してみてはいかがですか。疲れた体に沁みるキャラメルの甘さと、サブレの豊かさに満たされ、アーモンドの香りがコーヒーとともに鼻から抜ければ、不思議と、少しだけ、気分が軽くなるはずです。

○フロランタンは、きれいで美味しくて、ちょっぴり贅沢なお菓子。
○おうち時間をのんびり豊かにしてくれるお菓子。

まとめ:「フロランタン」奥行きのある甘さが魅力

フロランタンは、キャラメル、アーモンド、サブレを主に構成されるフランスの焼き菓子です。現在ではフランス菓子として定着しているフロランタンですが、フロランタンがフランス語で「フィレンツェ」という意味を持つことから、発祥は、イタリアではないかとも言われています。

キャラメルの複雑な甘味と、香り立つアーモンド、そしてサブレのふくよかな美味しさが渾然一体となるお菓子が、フロランタンです。味わいもさることながら、豊かな食感や、見た目の美しさもまた、フロランタンの魅力です。加えて、満足感も高いお菓子であるため、味わいと相まって、充実感のあるお菓子だとも言えるでしょう。

フロランタンは、様々な場所で購入することができますが、美味しいフロランタンを選ぶための目安を知っておくことで、選択の失敗を最小限にし、素敵なおうち時間を過ごす一助になります。

是非、コーヒーを片手に、洗練されたフロランタンで少しだけ贅沢な時間を過ごしてみてください。きっと、ゆとりある日々へとつながる、心の余裕が生まれるはずです。