住まいの新築やリフォームの際、理想の間取りや、かねてからの希望を実現することは大切ですし、嬉しいものです。一方で、そうした目に見えやすく、気がつきやすい部分だけでなく、細かな設備を備えておくことも、暮らしの空間の快適さにつながります。
例えば、これからお話しする「住宅窓用ブラインド型シャッター」は、その有無によって窓周りの利便性は大きく変わり、暮らしの快適さを左右するとも言える設備の一つです。便利で、そしてスマートな暮らしは、きっと、日々にゆとりをもたらしてくれるはずです。
それでは、ブラインドシャッターのメリットを、注意点とともにたっぷりお伝えします。
目次
ブラインドシャッターとは
ブラインドシャッターは、通常のシャッターとは異なる形状を持つ、住宅の掃き出し窓などにつけることが多いシャッターです。では、ブラインドシャッターが通常のシャッターとはどのような違いがあるのかをご紹介します。
ブラインドシャッターの構造は、ブラインドカーテンと似ていて、ルーバー状の横に細長い羽板を縦に連ねた形をしています。
通常のシャッターであれば、完全に開けるか閉めるか、場合によっては途中まで開けたり閉めたりするのが普通ですが、ブラインドシャッターであれば、閉めた状態であっても、ブラインドを操作することで、シャッターに隙間を作り出すことが可能です。
この構造こそがブラインドシャッターの特徴であり、様々なメリットを生み出します。では、具体的にどのようなメリットがあるのかを、次項よりお伝えします。
○羽板をルーバー状に連ねた構造のシャッター。
○全閉状態でも隙間を作り出すことができる。
ブラインドシャッターの「5つのメリット」
さっそく、ブラインドシャッターの具体的なメリットを紹介します。最初の項「1.開閉が楽」は、ブラインドシャッターに限らず、電動シャッター全般の利点ですが、二つ目以降の項でお伝えするメリットは、ブラインドシャッター特有のメリットです。
1.開閉が楽
住まいの窓に雨戸やシャッターがついていても、開け閉めが面倒であまり使わない、という人も少なくありません。そうした点では、ブラインドシャッターは基本的に電動シャッターですので、開閉は室内のボタンやリモコンを操作するだけで済みます。
シャッターの開閉が楽だというのは、窓周りの環境を整備する上での非常に大きなメリットです。もちろん、ブラインドタイプのシャッターではない、通常のシャッターでも、電動タイプを選択することが可能です。したがって、必要に応じて、ブラインドタイプと通常タイプのシャッターの設置分けをするのも良い判断でしょう。
夏、冷房を利かせているときや、冬に暖房しているときなど、窓の開け閉めをあまりしたくないこともあります。特に冬の寒さが厳しいときなどは、極力外に出たくないものです。
冬とは言え、暖かい室内では、外出するときほどの厚着をする人はあまりいないでしょう。したがって、手動のシャッターや雨戸だと、シャッターの開閉の度に薄着で外に出なければなりません。暖かい室内から、寒さの厳しい屋外へ薄着で出ることは、たとえ短時間であっても、体に負担がかかります。
特に、持病がある人や高齢者では、急激な温度変化による体への負荷が大きくなるでしょう。こうしたことから、室内で簡単に開閉操作ができる電動シャッターは、便利さだけでない、健康を考慮した暮らしの快適さにもつながると言えます。
加えて、花粉症など、アレルギーに悩まされる人にとっても、電動シャッターは頼れる存在です。特に春頃は、花粉の飛散量が突出して多いため、そうした時期に窓の開閉をしなくて済み、さらにはベランダ等、窓のすぐそばとは言え、外に出なくても済むというのは非常に嬉しいことです。
短時間の作業であっても、少しの窓の開閉で花粉は室内に入り込みますし、雨戸やシャッターの開閉のためにマスクをつけるのが面倒であったり、つけ忘れたりすることもあるかもしれません。雨戸やシャッターを手動で開け閉めする度に、症状に悩まされるようでは、雨戸やシャッターを使用しなくなってしまうことにも頷けます。
また、アレルギー症状が、春だけではなく、季節の変わり目を中心に通年現れ、悩まされる人も少なくありません。そういう人にとっても、電動シャッターは手放せない便利さとなるのではないでしょうか。
2.理想的な日除け
ブラインドシャッターの大きな特徴は、シャッターが一枚一枚の細い羽状の部品の連なりとなっている、ブラインド状の構造です。この構造が最大限に活かされる場面の一つが、太陽光を遮りたいときです。
通常、室内にいてまぶしいと感じるときには、日除けとしてカーテンを閉めることが多いのではないでしょうか。そうした際、レースのカーテンだけでは遮光が十分ではないためにまだまぶしく感じられ、かと言って厚手のカーテンまで閉めては暗くなってしまう、というジレンマに悩まされた経験を持つ人もいるでしょう。
また、レースのカーテンは確かに遮光効果はありますが、レースのカーテンは白いことが多く、その白さがかえってまぶしさを増幅させてしまうこともあります。こうした悩みの解消に、ブラインドシャッターは効果的です。
ブラインドシャッターは全開か全閉以外にも、ブラインドの角度調節が可能です。したがって、日中、室内でのんびり過ごしているとき、窓からの日射しがまぶしいと感じたら、ブラインドシャッターのブラインド機能により、明るさを保ちつつ、適度に遮光することができます。
このように、ブラインドシャッターは手軽でありながら効果的な日除けの機能を有しています。また、日射しが厳しくまぶしい時季というと、夏場を思い浮かべる人も多いかもしれません。もちろん、夏場の日除けにも、ブラインドシャッターは効果的ですが、同時に、秋や冬のシーズンにも、ブラインドシャッターは役立ちます。
夏場の日射しが厳しいことは確かですが、しかし、日が高いため、思いのほか室内の奥の方までは光が届かず、室内で過ごしている人の目を煩わせることがない場合もあるのです。一方で、秋や冬といった、日が低くなる季節には、室内の深くまで日射しが届くこともしばしばあります。
寒くなる季節に、暮らしの空間が太陽の光で満たされるのは喜ばしいことですが、他方、そこでのんびりとくつろぐ人にとっては、まぶしい日射しは煩わしくもあるものです。加えて、直射日光の当たらない場所に置いたはずの家具や観葉植物などに、思いがけず日が当たってしまうなどという場合にも、ブラインドシャッターは役立ちます。
なお、季節を問わず、まぶしい西日を遮るのにも、ブラインドシャッターは役立つでしょう。
独特のまぶしさや、何となく気怠い雰囲気がある西日が、そのときの心情に寄り添わないこともあるかもしれません。そんなときは、ボタン一つでブラインドシャッターを操作して、遮光してみてください。そうすれば、室内は適度に遮光されつつ、心はきっと、少しだけ明るくなります。
3.暑さ対策(遮熱効果)
前項の日除け効果にも通じますが、ブラインドシャッターは遮熱効果にも優れるため、暮らしの空間の暑さ対策にも効果的です。遮光や遮熱という点では、室内に遮光率や遮熱率の高いカーテンを引くことも手段の一つですが、カーテンで窓をすべて覆ってしまっては、室内が暗くなることが懸念されます。
そうした際、ブラインドシャッターであれば、適度に空間の明るさを保ちつつ、遮熱することが可能です。加えて、そもそも、室内で遮光、遮熱するカーテン等の設備と比較すると、窓の外で遮光、遮熱するブラインドシャッターの方が、暑さ対策としての効果、効率が良いとされています。
言い換えれば、一度室内に取り込んだ光や熱を、できるだけ暮らしの空間に近づけさせないために窓の内側で遮るカーテン等の設備に対して、ブラインドシャッターは、そもそも光や熱を室内に入れず、窓の外で遮ります。
こうしたことからも、暑さ対策という点で、ブラインドシャッターが優れていると言われることにも頷けるのではないでしょうか。
「窓のリフォーム」という言葉があるように、空間の暑さや寒さを抑えるためには、窓の機能を見直すことが不可欠です。暑さであっても寒さであっても、暮らす人にとって快適ではない空間の温度の要素には、窓が大きく関係しています。これは、熱気や冷気は、たとえ閉ざされていたとしても、窓を通して室内に侵入するためです。
したがって、複層ガラス等の断熱性能の高い窓を採用するとともに、それだけでは対応しきれない光や熱に対しては、ブラインドシャッターを併用することも非常に効果的と言えるでしょう。
加えて、現在のお住まいに、後づけでブラインドシャッターを設置することも可能です。リフォームなど、大がかりな工事や窓の交換を予定していない場合でも、設置条件さえ満たしていれば、ひとまずブラインドシャッターを設置することができます。
現在のお住まいの窓周りに、ブラインドシャッターを単体で導入するだけでも、暮らしの空間の快適さは大きく変わるでしょう。
※まぶしさ対策や暑さ対策という意味では、北窓の設置も有効です。北窓については以下の記事で紹介していますので、併せてご覧ください。
住まいを新築する際、理想の間取りやデザインを計画するとともに、どこに窓を設けるか検討することも大切です。「なるべく明るい空間にしたい」、「大きな窓を設けたい」、「風通しを良くしたい」など、窓に関する要望は思いのほか多いのではないでしょうか[…]
4.通風
ブラインドシャッターのメリットを語る上で欠かすことのできない特徴が「通風」の確保です。普通、雨戸を閉めたりシャッターを下ろしたりした状態では、たとえその内側で窓を開けたとしても通風を確保することはできません。
一方、ブラインドシャッターは、先にもお伝えした通り、羽状の部材が連なる構造であるため、シャッターを下ろしたままでも、ブラインドの角度を調整することで、シャッターに隙間を開けることができ、十分な通風を確保することができます。
したがって、夜間、シャッターを閉めた後であっても、窓を開けて通風を確保することが可能です。また、夜間だけではなく、日中も、例えば「まぶしさは困るけれど風通しは欲しい」などというときにはブラインドシャッターが役立ちます。
カーテンなどを窓の内側に引くと、窓を開けていてもそこで風が遮られてしまい、風通しは思うようには得られないでしょう。また、引いたカーテンが風にあおられて、室内側に大きく膨らんだり、なびいたりすることも考えられます。そうすると、小物や飾り物等を倒したりと、空間内の物の思わぬ破損につながることもあり得ます。
このように、日除けによるまぶしさ対策や暑さ対策と、風通しを両立できる点は、ブラインドシャッターの大きな利点と言えます。加えて、そうした複数のメリットを、ブラインドシャッターの開閉という一つの操作で完結できる点も、スマートな暮らしや、快適な暮らしにつながるでしょう。
5.プライバシー保護・防犯性
ブラインドシャッターのブラインド機能は、基本的にシャッターが全閉のときに使用できる機能です。つまり、シャッターを中間まで下ろして止めた状態では、ブラインド機能を操作することはできません。
ただ、だからと言って、それを不便に感じることはほとんどないでしょう。むしろ、シャッターを全閉した状態でブラインド機能を操作することで、防犯効果を高め、また、プライバシーを守ることにもつながります。
道路に面した立地の住まいの場合、掃き出し窓など、比較的大きめの窓が、人通りのある道に面していることも少なくありません。そうした場合、「人目は遮りたいけれど、カーテンやシャッターを日中から閉めっきりにしたくない」と考える人も多いでしょう。
こうした要望に応えてくれるのも、ブラインドシャッターです。ブラインドの角度を調節することで、外からの視線をできる限り遮り、それでいて一定の光や風を取り込むことができます。
ブラインドの角度調節は、自由度が高いものもあるため、好みの角度に調節できます。したがって、外からの視線をどの程度遮りたいか、そして、光や風をどの程度取り入れたいかによって、丁度良いバランスを、住む人が調節できるのです。
加えて、ブラインドシャッターは、一枚一枚の羽状の部材の下側が、外に向かって開き、また、上の羽が下の羽に重なるようにして閉まります。こうした特性から、歩行する人の目線など、斜め上からや真横からの視線を遮ることがブラインドシャッターでは可能です。
ブラインドの角度次第では、外からの視線を遮りつつ、内側からは外の様子がうかがえたり、強い閉塞感を覚えずに済んだりするメリットもあります。
ただ、室内から外が見えるということは、角度によっては外からも室内が見えるということですから、完全に視線が遮られるわけではありません。したがって、完全な視線の遮断が必要な場合には、ブラインドを全閉します。
さらに、ブラインド機能を活用することは、暮らしに安心をプラスすることにもつながります。夜間、窓を開けるときには、シャッターを閉めた上で、ブラインドを開き、そして窓を解放することで、外部からの容易な侵入を阻むことが可能です。
外で、物音や異常を感じ取った際は、すぐに窓を閉めることができ、窓を閉めるまでの間に先に侵入されることをブラインドシャッターが防いでくれるでしょう。また、シャッターは内側から施錠することが可能で、なおかつ、電動シャッターを人の力で持ち上げることは簡単ではありません。
もちろん、ブラインドシャッターの防犯性は完全ではないため、過信することは思わぬ危険を招きますが、しかし、あるかないかでは、外部からの侵入のしやすという点で大きな差があります。そして、それは暮らしにおける安心につながるでしょう。
また、日中の寝室など、常に人がいるわけではない部屋の換気をしたいときにも、ブラインドシャッターは有効です。
もちろん、完全に、常時、目を離しても安全というわけではありませんが、それでも、人が少し部屋を離れたり、目を離したりしても、シャッターが全閉されているのですから、ブラインドが開いていたとしても外部からの侵入は容易ではありません。
繰り返しになりますが、外部からの侵入は難しくても、ブラインドを開いておくことで、通風は確保でき、換気を行うことが可能です。つまり、ブラインドシャッターは、安心と風通しの両立にも貢献してくれるでしょう。
なお、小さいお子さんがいる家庭では、シャッターを操作するリモコンや壁付けボタンが、お子さんの手の届かない所にあったり、操作ができなかったりすれば、窓を開けておいても、ブラインドシャッターを活用することで、光や風を取り入れつつ、お子さんが勝手に外やベランダに出てしまうことを防げます。
このように、子育てをする人に少しの安心とゆとりをもたらしてくれることも、ブラインドシャッターの魅力の一つだと言えます。雨や風などの自然災害から暮らしを守るだけでなく、日々により細かな安心を与えてくれることも、ブラインドシャッターの利点です。
※通風効率を防犯性を損なわずに高める場合、トップライトの設置も効果的です。トップライトに関する詳細は以下の記事をご覧ください。
新築住宅を計画する際、自然光で満たされる明るい空間にしたい、と考える人は少なくないのではないでしょうか。しかし、間取りや土地の条件などから、思うように窓を設置できないことや、小さい窓しか設けられない場合もあるでしょう。また、明るさを求める[…]
○開閉の度に窓を開けたり、外に出なくて済む。
○冬や夏など、気温の厳しい季節に窓を開閉しないで済む。
○花粉症シーズンに、窓の開閉をしなくて済む。
<メリット2.日除け効果>
○ブラインドシャッターのブラインド機能を活用することで、効果的な日除けになる。
○ブラインドなので、空間を適度に遮光しつつ、暗くなりすぎるのを防げる。
○日射しの厳しい季節だけでなく、日が低い季節のまぶしさ対策や、西日対策にも効果的。
<メリット3.効率的な暑さ対策>
○窓の外で日射しを遮るため、効率的な遮熱効果がある。
○複層ガラス等、断熱効果の高い窓ガラスと併用すると、さらに効果的。
○ブラインドシャッターのみを後づけすることも可能。
<メリット4.通風を確保できる>
○ブラインドシャッターは、全閉した状態でも、ブラインド機能を使うことで通風を確保できる。
○まぶしさ対策(暑さ対策)と通風を両立できる。
○複数のメリットを一つのブラインド操作で得られ、スマート。
<メリット5.暮らしに安心と安全が得られる>
○通常のシャッターや雨戸と同様に、風雨から暮らしを守るのに役立つ。
○外からの視線を遮りつつ、光や風を取り入れられる。
○人のいない部屋の換気や夜間、窓を開けていても、ブラインドシャッターがあれば、外部からの侵入がしにくいなど、防犯効果がある。
○窓を開けておいても、子供が勝手に外やベランダに出ることを防げる。
ブラインドシャッターの選び方
ブラインドシャッターを販売するメーカーは複数あります。したがって、どのようなブラインドシャッターがあるのかを理解しておくことで、より、暮らしに合った、使い勝手の良いブラインドシャッターを選択することができるでしょう。
壁付けボタン or リモコン
ブラインドシャッターを選ぶ際、使い勝手を基準に選ぶのも一つです。暮らしを便利に快適に、そしてスマートにしてくれるブラインドシャッターですから、使いやすさにもこだわりたいものです。
例えば、開閉操作がリモコンでできるものであれば、わざわざボタンを設置したところまで行かなくても済み、手軽に操作ができます。一方で、リモコン類が増えるのが気になり、操作ボタンが壁などの決まった場所に設置されている方がすっきりすると考える人もいるでしょう。
加えて、リモコン操作の場合は、一か所につき一つのリモコンが必要なのか、あるいは一つのリモコンで複数のブラインドシャッターを操作できるのかも事前に確認しておきたい点です。
複数のブラインドシャッターの導入を検討しているものの、そのすべてに個別のリモコンが必要になると、かえって不便だと感じることもあるかもしれません。
また、一つのリモコンで複数のブラインドシャッターを操作できる場合には、一か所だけを操作しようとした際に、すぐそばの異なるシャッターにまでリモコン操作が影響しないかどうかも確認しておくと、実際に使い始めてから、煩わしい思いをしなくて済みます。
このように、生活スタイルや、ブラインドシャッターを何か所に導入するかなどによっても、操作がリモコンの方が良いか、壁付けボタンの方が良いかが変わってくるのです。したがって、暮らしを具体的に想像してから、ブラインドシャッターを設置することで、失敗を防ぐことができるでしょう。
デザイン
機能面とは関係ありませんが、ブラインドシャッターのデザイン性にこだわりたい人も少なくないのではないでしょうか。好みや感覚は、人それぞれですが、一般的に、窓周りには窓ガラス以外には何も設置されていない方が、住宅の外観がすっきりと美しく見えるのは事実かもしれません。
しかしながら、暮らしやすさや安全性を踏まえると、ブラインドシャッターを設置する方が、外観に必要以上にこだわるよりも、多くのメリットが得られるとも言えます。
外観の美しさやお洒落さはもちろん大切ですが、暮らしの快適さやゆとりも同様にとても大切です。したがって、できる限り、外観の収まりの良さと、暮らしやすさに好影響を与えるブラインドシャッターの設置の、両立を目指すのが良いかもしれません。
ブラインドシャッターを設置すると、一般的に、窓の外側上部に、シャッターを収納するための箱状の部材が取り付けられます。これは、ブラインドシャッターだけでなく、通常のシャッターでも同様ですが、ただ、ブラインドシャッターのボックスの方が大きくなる傾向にあります。
したがって、事前にどの程度のボックスがつくのか、また、目立ち具合はどうなのかなども確認しておくと安心です。加えて、メーカーによっては、ブラインドシャッターやボックスの色に、複数のラインナップが用意されているものもあります。
住宅の外観をより大切にしたい場合や、好みの色のブラインドシャッターを選びたい場合には、そうした観点から選択するのも素敵でしょう。
また、ブラインドシャッターと通常のシャッターを、窓によって設置分けする場合には、どちらも同じメーカーで選択することで、シャッターが閉まっているときの印象やシャッターボックスの仕様を揃えられることも多いでしょう。
そもそも、異なるメーカーのシャッターを導入することは少ないかもしれませんが、それでも、メンテナンス性や操作性、デザイン性を考慮すると、メーカーは1社に統一するのが良い判断かもしれません。
○ブラインドシャッターの操作には、リモコンと壁付けボタンがある。
○メーカーによっては複数の色から選択できる。
ブラインドシャッターの注意点
メリットが多くあるブラインドシャッターですが、導入の際は事前に知っておいた方が良いこともあります。
価格は割高
ブラインドシャッターの一番の注意点は、その価格かもしれません。性能や機能上、仕方のないことではありますが、やはりブラインドシャッターは、通常のシャッターと比較すると価格が高いことが一般的です。
すべての窓に導入できれば、それが一番理想的かもしれませんが、予算の都合上それが難しいことも十分にあり得ます。したがって、そういった場合には、使用頻度が多くなりそうな窓から優先的にブラインドシャッターにして、それ以外の窓は通常のシャッターにするといった工夫も必要です。
ただ、ブラインドシャッターと通常のシャッターを両方導入することで、窓の開閉が多い箇所や、安全性を確保した窓に、優先的にブラインドシャッターを設置できる可能性が増すため、ブラインドシャッターの導入は十分に検討の余地があるでしょう。
開閉音がやや大きい
ブラインドシャッターに限ったことではありませんが、電動シャッターは開閉音がやや大きく感じられる場合があります。室内にいて、窓を閉めた状態で開閉すれば音はあまり気になりませんが、シャッターが通り沿いなどに面している場合や、住宅密集地などの場合、夜間の開閉には少々気を使うこともあるかもしれません。
手動であれば、力加減や開閉速度によって、やや加減をすることもできますが、電動の場合はそうした加減はもちろんできません。
また、手動であれば、音が発生する前に、そこに開閉する人が見えるなど、音の前触れがありますが、室内からの操作の場合には、前触れもなく、音とともにシャッターが動き始めるため、丁度通りなどに居合わせた人は、少し驚く可能性があります。
もちろん、一般的に、騒音レベルとなるような音ではありませんが、音の感じ方は人それぞれですので、繰り返しになりますが、夜間の操作には少しだけ注意するのが良いかもしれません。
特に、シャッターが完全に閉まるときや、ブラインドの角度を細かく調整するときなどに音が生じることが多いため、多頻度での操作は避けるなどの配慮をすることも、回り回って、自分自身の暮らしやすさや心のゆとりにもつながると言えそうです。
こう書くと、どれほどの音が生じるのかと不安になるかもしれませんが、決して耳をふさぎたくなるような音が発生するわけではありません。気になる場合には、事前に実物を確認できる場所がないかどうか、メーカーに問い合わせておくと安心でしょう。
開閉速度がややゆっくり
メーカーによっても差があるかもしれませんが、ブラインドシャッターの構造や機能上、一般的なシャッターと比較すると、開閉速度がやや遅いと感じる人もいるかもしれません。それでも、電動であるため、遅いことがそれほど煩わしく感じられる場面は少ないでしょう。
ただ、シャッターを閉めてから早く窓を開けたい場合などには、もっと早く閉まらないかと思うこともあるかもしれません。ただ、安全性を考えると、時間をかけて閉まる方が良いこともあるため、あまり焦らず、イライラしないことも大切です。
そもそも、遅いというのは、通常の電動シャッターと比較して、ということであるため、それほど速度が気にならない人も多くいるでしょう。
障害物に注意
電動シャッターは、いちいち窓の外に出て、手動で開け閉めをしなくて済むのが大きな魅力ですが、一方で、だからこそ注意しなくてはならない点があります。
それが、思わぬ物や人の挟み込みです。手軽に操作できることから、外をあまり確認せずに操作してしまいがちかもしれませんが、怪我やシャッターの故障など、予期せぬトラブルを防ぐためにも、シャッターの開閉、特に閉める際には、安全を確認することが求められます。
ベランダに立てかけておいたほうきが倒れていた、または、子供の夏休みの朝顔の鉢が窓の近くに置かれていた、などということも十分に起こり得るでしょう。さらに、一番気をつけなくてはならないのが、お子さんが挟まってしまうことです。まさかいるわけはない、と思わずに十分確認することが大切です。
ただ、ブラインドシャッターをはじめとする電動シャッターには、挟み込み防止のための、障害物検知機能が備えられているものも多くあります。こうした機能を有するものを選択すれば、安全確認と機能とにより、より確かな安全の確保に近づくと言えます。
メンテナンスできる所に設置する
ブラインドシャッターを設置する場合は、ベランダに面した窓や住宅の一階部分の窓など、メンテナンスや修理などの際に、足場を確保できる窓にのみ設置することが推奨されています。業者やメーカーによっては、そういった場所以外の窓にも設置してくれることもあるかもしれませんが、基本的には、推奨箇所への導入が求められます。
○ブラインドシャッターは通常のシャッターよりも高価。
○開閉音やブラインドの操作音がやや大きく感じられることも。
○通常のシャッターよりも、開閉速度が遅いことも。
○室内で操作できるからこそ、人や物を挟まないように注意する。(※障害物検知機能がついたものを選択するのも有効。)
○メンテナンスしやすい窓に設置する。
ブラインドシャッターで暮らしにゆとりを
住宅窓用電動シャッターは、様々な自然災害から住まいを、そして暮らしを守るために非常に有益な設備です。そのなかでも、シャッターにブラインド機能を備えた「ブラインドシャッター」を選択することは、暮らしやすさの向上にも大きな影響を与えるでしょう。
暮らしの空間において、満足のいく風通しの確保やまぶしさの軽減などは、簡単に得られるものではありません。一度建てた住まいを手直しすることは手間もお金もかかります。また、土地や予算の都合上、わかってはいてもどうすることもできない面も、住宅設計にはあるのです。
せっかくのマイホームですから、そうした点を、我慢したり、妥協したり、気に入ろうと頑張ったりする人も少なくないでしょう。しかし、できる限り穏やかでゆとりのある日々を過ごすために、ブラインドシャッターという便利な設備があることを知っておくのも役立つのではないでしょうか。
暮らしの空間の温度や風通しといった心地良さ、そして安心の有無は、快適な暮らしが実現するかどうかに直結する要素だと言えます。もちろん、ブラインドシャッターの導入にもお金はかかりますが、素敵な暮らしのために、一度検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:ブラインドシャッターがある暮らし
ブラインドシャッターは、羽上の細い部材が連なることにより、ブラインド機能を備えた電動シャッターです。
ブラインドシャッターのブラインド機能は、角度を調整することで、通風の確保や、日除け、遮熱、外部からの視線の遮断によるプライバシー保護、外部からの侵入の予防効果、そして、お子さんが予期せず窓から出てしまうことを防ぐなどといったメリットがあります。
シャッターを閉めた状態でも、窓を開けられるという点において、ブラインドシャッターは優れた設備と言えるでしょう。住宅における、簡単には解決できない問題点の解消に、ブラインドシャッターは時に役立ちます。
ブラインドシャッターという選択肢を知り、そのメリットを注意点と併せて知っておくことで、ゆとりある、快適でスマートな家づくりの実現に役立てられるでしょう。